膝関節捻挫のリハビリってどうやればいい?正しい治療方法とは!?

2017/11/24 記事改定日: 2018/12/10
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

膝関節捻挫とは、いわゆる「膝をひねった」という外傷です。軽いものであれば自然治癒しますが、重いものは手術が必要になることもあります。
この記事では、膝関節捻挫の原因や治療方法について解説しています。リハビリの方法もご紹介しているので、参考にしてください。

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膝関節捻挫(しつかんせつねんざ)の原因は?

捻挫とは、骨折や脱臼と違いX線(レントゲン)では写らない部分に損傷がみられる外傷のことです。主に靭帯や腱、軟骨部分に損傷がみられることが一般的です。スポーツをしているときや無理な体勢での運動などが原因で起こる、身近な外傷といえるでしょう

膝関節捻挫とは、いわゆる「膝(ひざ)をひねった状態」であり、関節部分に腫れや痛みを伴います。ただし、痛みがあまり出ないことも少なくありません。

膝関節捻挫の原因は、直接膝に外部から負荷がかかり受傷する場合と何らかのを介して受傷する非接触性の外傷の2種類があります。

例えば、タックルやスライディングを受けたことで膝関節捻挫を起こした場合は直接的な力がかかったことによる捻挫になります。方向転換の際に体勢を崩したときや着地のときにひねったということであれば、非接触性の外傷となります。

どちら場合でも重症化する場合があり、捻挫と骨折の判別が難しい場合もあるので、必ず整形外科を受診するようにしましょう。

膝関節捻挫の治療方法と応急処置のやり方

膝関節を捻挫したときは、まず応急処置が大切です。
受傷直後は応急処置の基本は「RICE処置」が基本となります。

R→Rest
安静にする
I→Ice
氷水で冷す
C→Compression
圧迫する
E→Elevation
(心臓より高い位置まで)挙上する

安静にできる安全なところに移動し、氷水で冷し、テーピングや包帯、サポーターなどで圧迫・固定を行いましょう。

軽い捻挫であればしばらく安静にしていれば完治しますが、膝関節捻挫は靭帯に大きな断裂が起こっているケースや半月板損傷を伴っているケースも少なくありません。骨折との判別のためにも、必ず病院を受診しましょう。

病院での治療は、捻挫の重症度や損傷部位によって変わってきますが、一般的には保存療法が中心です。サポーターや装具、テーピングで固定することが多く、ギプスなどの強固な固定は通常行いません。痛みが強い場合は、鎮痛剤が処方されることもあります。

ただし、靭帯を重度に損傷した場合は靭帯の再建術が検討されます。その他、半月板の損傷が疑われる場合はMRI検査で損傷の状態を確認し、必要に応じて手術を行うこともあります。

膝関節捻挫にリハビリは必要?どうやってやればいいの?

膝関節捻挫は、一度治癒しても再発を繰り返すことが多い外傷の一つです。特にスポーツをする人は再発するリスクが高く、適切なリハビリを行って再発を予防することが大切です。

リハビリでは、治療後に硬くなった膝関節や筋肉をほぐすため、膝の曲げ伸ばしなどを行う可動域訓練や、膝周囲の筋肉を鍛えるアイソメトリックトレーニングと呼ばれる訓練やスクワットなどの筋力強化訓練が個々の状態に合わせて行われます。

おわりに:軽いものであれば自然治癒するが、重度の損傷が隠れている場合もあるので念のため整形外科を受診しよう

膝関節に限らず、急性捻挫をしたときは受傷後の応急処置が大切です。「RICE処置」をきちんと行いましょう。また、骨折や靭帯の重度損傷、半月板の損傷が隠れている可能性もあるので、応急処置後は必ず整形外科で検査してもらうようにしてください。

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