記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/23 記事改定日: 2019/1/16
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
脳塞栓症とは、心臓でできた血栓が脳の血管に詰まってしまう病気のことで、心原性脳塞栓症とも呼ばれています。
普通の脳梗塞に比べて重い症状が出やすいといわれていますが、それはなぜでしょうか。この記事では脳塞栓症の原症状と再発予防について解説しています。
脳梗塞とは脳の血管が詰まったり、何らかの原因によって脳に血液が送られなくなることで、脳自体にダメージが生じて体の動きや感覚などが障害されてしまう病気です。
脳梗塞は原因ごとで脳塞栓症と脳血栓症の2つに分類することができます。
高血圧、高コレステロール、糖尿病、たばこによって、動脈硬化が起こることで血管が細くなり、最終的に血管が詰まってしまうのが原因でおこるのが脳血栓です。
もうひとつは心臓の病気(心臓弁膜症、心筋梗塞、不整脈など)が原因でできた心臓の血栓という血の塊が、その血管を通って脳の血管を詰まらせてしまう脳塞栓症です。脳塞栓症は心臓が原因になっているため、心原性脳塞栓症とも呼ばれています。
心臓の中でできた血栓は他の部位でできた血栓よりも大きいものが多く、脳血管の太い血管に詰まってしまうので脳の障害の部位が広範囲になってしまいます。そのために、症状も他の種類の脳梗塞よりも重症化しやすい特徴があります。
などの症状が出ます。
その後、治療が終わったとしても脳の障害が残ることも多く、麻痺が続いたり、感覚が鈍くなったり、今までわかっていたものがわからなくなったり(認識の障害)、目の見える範囲が狭まったる(視野狭窄)などの後遺症が残ることもあります。
脳塞栓症の治療は、脳の血管に詰まっている血栓と取り除くために、血液をサラサラにする作用を持つ「ヘパリン」という薬を使用し、血栓を溶かし脳の血流を回復させます。
しかし、これはあくまで詰まってしまった血管を治療しただけであり、もともとの原因である心臓の治療にはなりません。心臓の病気を改善しないことには、脳塞栓症の再発リスクを下げることにはなりません。
脳塞栓症の再発を予防するには、発症原因となった病気の治療を徹底することと、生活習慣の改善が必要です。
脳塞栓症の発症原因として最も多い病気は、心房細動などの不整脈です。心房細動は心臓が不規則に拍動することで心臓内に血栓が形成されやすくなり、その血栓が心臓に流れることが原因で脳塞栓症を発症します。
再発を予防するには、心房細動の治療をしっかり行い、血液が固まりにくくなる抗凝固薬や抗血小板薬の服用を続けることが大切です。
また、血栓ができやすくなる生活習慣として、水分不足や喫煙、高脂肪の食事などが挙げられます。和食や野菜中心の食生活を心がけ、こまめに水分を摂ることを心がけましょう。ストレスや睡眠不足なども心房細動などの不整脈を悪化させる原因になりますので、休息・睡眠時間は十分に確保することも大切です。
脳塞栓症を含む脳梗塞は、心臓や血管などの異常や病気によって発症します。血栓が大きいため重症化するケースが多く、後遺症が残る恐れもあります。
発症や再発を防止するためにも生活習慣を見直し、健康的な毎日を過ごすように心がけましょう。
また、万一発症、再発した場合は早めの処置が重要です。早期治療のためにも定期健診は怠らないようにしてください。
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