記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/13
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
急なキリキリとしたみぞおちの痛みは、急性胃炎で起こります。何が原因で急性胃炎を引き起こすのでしょう。原因や症状はもちろん、急性胃炎になった場合にはどのように対処すればよいのか、対処法についてもまとめました。
急性胃炎の症状には、みぞおちといわれる上腹部の痛みや、胃部膨満感、むかつきや胃のもたれ、下痢などがあります。急性胃炎は胃粘膜に炎症を起こす病気であり、さまざまな原因があると考えられています。
急性胃炎は急激に発症し短時間で症状が現れるのが特徴であり、胃粘膜からの出血や、粘膜が欠損したびらん、ひどくなれば潰瘍を伴うこともあります。これを「急性胃粘膜病変」といい、強い上腹部痛や吐血、便に血が混じる下血などの症状が現れます。
急性胃炎の原因について知ることで、病気を未然に防ぐことも大切です。
通常は、強い胃酸と消化酵素からできている胃液が胃壁を溶かしてしまわないよう、胃の表面は粘液によって守られています。バランスがとれた状態であれば、胃粘膜も障害を受けることはありません。しかし、精神的ストレスや身体的ストレスにより自律神経が乱れ、胃液が過剰に分泌されてバランスが崩れてしまいます。
このときの胃は、胃粘膜の血行不良や粘液の働きが弱まり、胃の表面に刺激を受けやすい状態です。薬剤による刺激、香辛料やアルコールなど刺激物によって刺激されると、胃粘膜と胃液のバランスがさらに崩れてしまい、急性胃炎が引き起こされます。
急に発症する病気の場合は、痛みとともに不安も出てくるものです。急な症状に対応するためにも、ポイントをおさえておきましょう。
例えば、風邪薬を飲んだ翌日などに、急にみぞおちの痛みが現れた場合には、薬剤による急性胃炎が疑われます。この時、原因となる風邪薬の内服を中止することが一番大切なことです。
これは、他の要因についても同様のことがいえます。アルコールやカレーなど香辛料の多い食事の摂りすぎで症状があった場合には、刺激物を控えて胃にやさしい消化のよい食事にしましょう。
また、過労などによるストレスが原因の場合には、身体をゆっくり休めストレスの軽減をはかることも大切です。その他に、風邪やインフルエンザなどによって起こることもあります。
原因を除去し数日間安静にすることで、ほとんどの急性胃炎は自然治癒していくでしょう。しかし、症状がなくなったからといって、胃の状態がよくなったわけではありませんので、すぐに同様の生活をしてしまうと再び急性胃炎を発症ししていまい、何度も繰り返すことで慢性胃炎になってしまうかもしれません。生活習慣を根本的に見直し、改善していきましょう。
吐血や下血などの症状がある場合には、重篤な病気が隠れている可能性があります。すぐに病院を受診しましょう。また、インフルエンザなどの感染症が疑われる場合には、感染症に対する治療、病態や症状によって胃粘膜保護剤や制酸剤などの内服処方、点滴治療が必要な場合もあります高熱など、胃以外の症状がある場合も病院を受診するようにしてください。
さまざまなことが原因で引き起こされる急性胃炎ですが、その症状と対処法を知っておくだけで早期の治癒が期待できます。急性胃炎を起こさないよう、毎日の生活を見直し改善していくようにしましょう。また、吐血などの症状は深刻な病気のサインの可能性があります。すぐに病院を受診するようにしてください。