膝の関節が痛い! 関節炎はなぜ発症する?

山本 康博 先生

記事監修医師 東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

関節炎は放置していると症状が深刻になる可能性もある病気です。関節炎にはケガなどのように原因がはっきりしているものや関節リウマチのように自分では原因がわからないものまで様々な種類があります。この記事では、関節炎の種類やそれぞれの治療法についてご紹介します。

もくじ

関節炎とは

関節炎とは関節に炎症が生じる病気です。関節に痛みが生じたり、腫れたりするのが主な症状ですが、進行すると発熱したり、細菌に感染したりという深刻な症状が出る場合もあるので注意が必要です。

関節炎を発症する原因

関節炎の原因は部位などによって異なります。例えば、膝の関節炎は、膝の骨を包む軟骨(関節軟骨)がすり減ることで炎症や腫れが起こりやすくなります。この関節炎は、年齢を重ねた人がかかりやすい病気であり、他にもスポーツなどで大きな負荷がかかったことが原因になったり、ケガなどで細菌が関節に入り込むことで炎症を起こす関節炎もあります。まれにではありますが、海外旅行の際に虫を媒体とした感染症にかかった人が関節炎を発症することもあります。

細菌性関節炎

細菌性関節炎は主に細菌の感染によって発症する関節炎です。主な原因微生物は黄色ブドウ球菌(細菌)ですが、他にも肺炎球菌や連鎖球菌による症例もあり、まれにウイルスや真菌の感染が原因になることもあります。

乾癬性関節炎

乾癬とは皮膚の病気であり、体に白っぽい皮膚の粉を伴った赤い斑点ができる病気です。乾癬の大きさや数、発症する場所は人によって様々であり、特に刺激を受けやすい箇所やこすれる箇所に現れます。

乾癬性関節炎は、乾癬がある人が発症する関節炎です。関節炎が起こるのは主に手の指で、腫れと痛みの症状が現れます。指以外にも、手首や足首、膝などに見られることもあります。

変形性関節炎

変形性関節炎とは、関節をスムーズに動かす役割を担う関節軟骨がすり減っていくことで炎症が起こり、痛みやこわばり、動かしにくいなどの症状が現れる病気です。主に加齢よって起こり、他にもスポーツなどで酷使したり、過去のケガなどの影響で変形性関節炎を引き起こすこともあります。変形性関節炎は、肩、肘、膝、股関節に起こりやすく、だるい、重いといった症状から、歩いているときや立ち上がるときに痛みを感じるなど、人によって痛み方が異なります。

関節炎が複数できている場合

関節炎は主に一つの箇所に起こることが多いですが、体のあちらこちらに痛みやこわばりを感じる場合、関節リウマチの可能性も考えられます。

関節リウマチとは、何かの原因で体内の免疫機能に異常が起こることで発症する病気です。免疫機能に異常が起こると、体は自分が作りだした成分でも異物と判断して攻撃をしてしまいます。この攻撃が関節の腫れや痛みを作り出し、ひどいときには関節が変形や骨の破壊が起こります。
関節リウマチの特徴は、おおむね体の左右対称に痛みが生じることです。発症の原因はまだ判明されていません。

関節炎を発症した場合の治療法

関節炎はそれぞれ種類によって治療法が異なります。

細菌性関節炎

細菌性関節炎の治療は、関節の中にいる細菌を洗浄する手術や、抗菌薬を体内に入れて細菌を殺す治療などがあります。細菌性関節炎は早期治療で完治が可能です。

乾癬性関節炎

乾癬性関節炎は、皮膚の湿疹と関節の炎症の両方に効果がある非ステロイド剤などの薬剤を投与するのが有効的と考えられています。非ステロイド剤での効果が充分に見られない場合は、関節リウマチの治療に使われる「生物学的製剤」という治療薬を用いる場合もあります。

変形性関節炎

変形性関節炎の治療は、病状によって異なります。この病気で多く用いられるのが、保存的治療です。これには、炎症を抑える鎮痛剤の投与や塗布、関節内への薬剤の注射、サポーターの装備、サプリンメントの服用、運動療法などが含まれます。骨が変形するなどのひどい症状が見られた場合、人工関節置換術などが検討されます。

おわりに: 痛みやこわばりは関節炎が原因かも!?必ず病院で検査しよう!

長い時間同じ体勢でいたときや朝起きたときなどに手指や膝に痛みやこわばりを感じたら、関節になんらかの炎症が起きている可能性があります。症状が頻繁に、そして長く続く場合は、一度病院に相談するようにしましょう。また、このような症状ではなくでも、関節に何らかの異常を感じる場合は、原因の特定が必要です。軽い症状であっても病院で検査してもらうようにしてください。

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