肝血管腫って治療が必要なの?何が原因で発症するの?

2017/11/13 記事改定日: 2018/9/21
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

人間ドックなどで「肝血管腫」が発見されたことはありませんか?肝血管腫は発生しても自覚症状が乏しく、診断を受けて驚かれる方も多い傾向にあります。以降ではこの肝血管腫について、基本的な情報をお伝えしていきます。

肝血管腫とは、どんな病気?

肝血管腫は、肝臓で毛細血管の交わりが多いところが一部増殖し、腫瘍状に発育してしまった良性の腫瘍です。

腫瘍が良性か悪性かの判断は、発見された時点での肝疾患の有無によって判断されるのが一般的ですが、腫瘍が2cmほどの大きさであれば、治療はせず、経過観察と定期検診で様子をみます。

治療が必要となる肝血管腫は、肝血管腫の大きさが3cm以上である場合や、腫瘍が肝臓の表面に突出している場合、血液検査によって血液凝固の異常がみられた場合、肝炎や肝硬変を患っている場合などです。

肝血管腫は自覚症状がないのが一般的ですが、腫瘍の破裂によって貧血症状があらわれたり、腫瘍が大きいことで腹部上部が圧迫されたことによる痛みを感じる場合があります。

肝血管腫の原因とは!?

肝血管腫の原因ははっきりと分かっていませんが、現状では遺伝によるものという説と、ホルモンの影響という説が有力です。

まず肝血管腫の遺伝性についてですが、肝血管腫は親や親類に肝血管腫の病歴がある場合になる可能性が高くなるとされています。親や親類の肝血管腫が必ず遺伝をするというわけではありませんが、定期的に検査を受けることをおすすめします。

また、ホルモンの影響とは、ホルモンバランスが乱れることで肝血管腫が大きくなる可能性があるということを指します。特に女性は、出産などでホルモンバランスが乱れる可能性が高いため、発症率が高い傾向にあります。

肝血管腫の治療方法は? がんになることはあるの?

超音波検査やMRI検査、CT検査の結果、肝血管腫が見つかった場合には、基本的には定期検診で経過観察をしていくのが一般的です。

肝血管腫は良性の腫瘍のため、身体に悪影響を与えるものではありませんし、肝血管腫が肝がんになることは非常にまれです。

また、転移をすることはないので、血液やリンパなどにのって腫瘍細胞が他の臓器に影響を及ぼすこともありません。生活習慣を整えながら、定期的に経過観察をすることで、日常生活を通常通りに送ることができます。

ただ、肝血管腫が大きくなってきた場合には切除手術が必要となります。4cmより大きくなった場合は、何かの衝撃で血管腫が破裂する可能性や、別の病気に発展する可能性があるため、手術が必要となります。

なお、切除手術以外にも、肝動脈塞栓術という方法で、肝臓に流れている血液を止める治療法や、放射線治療を行う場合もあります。

肝血管腫の手術治療

肝血管腫は大きさによって手術方法が異なります。
血管腫の大きさが小さく、重要な血管とつながりを持っていない場合は切除による出血などのリスクも少ないため、腹腔鏡下手術が行われます。一方、血管腫が大きく、切除することで出血するなどのリスクが予想される場合には、開腹手術によって慎重に切除し、出血に備える必要があります。

術前には、肝機能の状態を調べたり、血管撮影によって血管腫と正常な血管とのつながりを調べる検査などが行われます。

おわりに:肝血管腫は良性腫瘍。基本的には経過観察で問題なし

肝血管腫は腫瘍の一種ではありますが、良性腫瘍のため、基本的にはそこまで心配いりません。ただ、一定程度の大きさを超えた場合は手術などの治療が必要になりますので、定期的に病院で経過観察を行うことが大切です。

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