記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/13 記事改定日: 2019/1/22
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
急性中耳炎は風邪のあとに発症することが多い耳の病気です。炎症で鼓膜が赤くなったり腫れたりして、膿がでて鼓膜が破れてしまうこともあります。
この記事では、急性中耳炎の症状について解説しています。
急性中耳炎とは、風邪をひいたときなどに、鼻やのどから耳管を通じてウイルスや細菌が耳に入り込むことによって起こるものです。
風邪などの症状に続き、激しい痛みや耳だれといった症状が現れます。
急性中耳炎の原因菌となるのはインフルエンザ菌や肺炎球菌などが多く、赤ちゃんや小さい子供によく見られます。また、以前は、急性中耳炎の原因はウイルス単体と考えられてきましたが、最近では細菌のみが原因の場合や、細菌とウイルス両方が原因の場合が大半を占めることがわかってきました。
適切な治療を行えば治るものではありますが、小さい子供は繰り返すこともしばしばで、症状が悪化したりなかなか治らなかったりすることがあるため、特に注意が必要です。
急性中耳炎では、細菌などに感染することで鼓膜に炎症が起こります。鼓膜が赤くなって腫れていたり、たまった膿の圧によって鼓膜が破れたりしていないかどうかを視診で確認し診断が行われます。
急性中耳炎の主な症状では
です。
風邪をひいた後に発症することが多いため、鼻づまりや鼻水、のどの痛みといった症状に続いてこうした症状が現れるケースが多いです。
乳児や幼児の場合は自分で症状を訴えることが難しいため、ぐずぐずして機嫌が悪い、耳を気にして頻繁に触る、何をしても泣き止まないといったことで急性中耳炎が疑われることもあります。
また、鼓膜が破れて耳だれが出てくる状態になると、膿による圧が軽減することで耳の痛みが軽くなるといわれています。
大人は耳の構造が発達しているため、子供よりも中耳炎を発症しにくくなっています。
しかし、風邪やインフルエンザなどの感染症によって喉や鼻に強い炎症が生じると、「耳管」と通して耳に波及することがあります。
大人の中耳炎では、耳の痛みや耳垂れ、耳閉感などが生じますが、喉の痛みや鼻水・鼻詰まりなどの症状が先行するのが特徴です。また、耳の痛みは軽度なことが多く、発症に気づかずに悪化し、難聴を引き起こすことも少なくありません。
急性中耳炎は再発しやすい病気です。
とくに、子供の場合は風邪をひくたびに中耳炎を発症するケースも少なくありません。
再発を予防するには、のどの痛みや鼻水・鼻詰まりなどの上気道症状がある場合はなるべく早めに病院を受診して適切な治療を受けることで、中耳炎の併発を避けることが大切です。
また、鼻水をすすったり、鼻を強くかみすぎると中耳炎を発症するリスクが高まりますので、鼻水はこまめにふき取って、無理な力をかけないなど正しいかみ方を心がけるようにしましょう。
中耳炎は風邪を引いた後に発症することが多いです。小さい子供は痛みなどの症状をきちんと伝えることができないため、耳を気にする、機嫌が悪くなるなどの小さな変化にいち早く気づいてあげることが大切です。
風邪を引いた後は様子を見守り、疑わしい様子があるときは念のため病院で検査してもらいましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。
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