急性喉頭蓋炎の原因とは?どんな症状に気をつければいい?

2017/11/22 記事改定日: 2019/11/26
記事改定回数:2回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

急性喉頭蓋炎は、喉頭蓋という誤嚥を防ぐための器官が細菌感染で炎症を起こしてしまう病気です。まれな病気なので出会う機会は少ないですが、悪化すると命の危険に直結してしまうことになるので油断はできません。

急性喉頭蓋炎の症状について解説していくので、危険なサインを見落とさないに注意しましょう!

急性喉頭蓋炎の原因は?

喉頭蓋は、喉の奥の声帯がある一帯の上方にある器官です。
普段の生活の中で、この喉頭蓋の存在を意識することはほとんどないかと思われますが、実は重要な機能を果たしています。

それは食べ物を飲み込む(嚥下:えんげ)際に、食道の隣にある気管に誤って食べ物が入らないように、気管に蓋をするという機能です。食べ物が気管に入ると誤嚥性肺炎にもつながる恐れが出てきてしまいます。

急性喉頭蓋炎は、この喉頭蓋に炎症が発生する病気です。
炎症の原因としては細菌によるものがとくに多く、そのなかでもインフルエンザ菌が多いといわれています。ただ、肺炎球菌や黄色ブドウ球菌など、原因菌はさまざまあります。

初期の段階では、喉の腫れや痛み、嚥下のときの痛み、発熱などがみられますが、喉に対しては上記のような風邪に似た症状が出てくるものの、鼻水やくしゃみなどの症状はあまりみられません

急性喉頭蓋炎の症状と危険なサインは?

急性咽頭蓋炎では、以下のような症状が見られます。悪化すると呼吸困難を引き起こすこともあるため、放置せずに早めに病院を受診するようにしましょう。

  • 強い咽頭痛が生じて飲食物を飲み込めない
  • 喉の痛みと共に発熱があり、徐々に38℃以上の高温になる
  • 口の中に音がこもって聞こえるような「含み声」が見られる
  • 唾液を飲み込むことができないため、よだれが流れるように出る
  • 息を吸うと喘鳴がある
  • 呼吸が苦しく、横になることができない

呼吸困難のときは救急車を

急性喉頭蓋炎は、初期の段階では風邪のような症状しか出てきません。
しかし、急性喉頭蓋炎は急激に進行することがあり、そうなった場合には命の危機に直結する恐れがあります。

これは炎症が酷くなり喉頭蓋が腫れあがってしまうことで、気管を含む気道全体が喉頭蓋により塞がれてしまい、呼吸困難につながる恐れがあるからです。

呼吸困難になったときは、すぐに救急車を呼びましょう。寝ている状態だと気道が塞がりやすいので、救急車を待っている間は上半身を軽く起こした体勢や膝を曲げ横向きに寝て下あごを少し出した状態をとらせるようにしてください。

急性喉頭蓋炎は、どうやって治療するの?

急性咽頭蓋炎の基本的な治療は抗生物質の投与です。
発症初期や軽症の場合には内服投与が行われますが、薬を飲み込むことができない場合や重症化した場合には点滴による投与が行われます。

また、嚥下障害によって十分な飲食ができない場合は脱水症に陥る危険があるため、点滴治療が行われることもあります。

ほとんどのケースではこれらの対症療法で軽快しますが、咽頭蓋のむくみが強く、呼吸苦があるような場合にはステロイド剤の投与が行われ、それでも改善せずに呼吸状態が悪化する場合には気管内挿管や気管切開を行って厳重な呼吸管理が必要となります。

急性喉頭蓋炎は予防できる?

急性喉頭蓋炎のおもな原因は「インフルエンザ菌」の感染です。現在、インフルエンザ菌に対するワクチンは乳児期の定期接種に定められているため、急性喉頭蓋炎を予防するためにはワクチン接種を確実に行うようにしましょう

また、ワクチンを接種した場合でも、周囲で風邪が流行っている時期などは手洗い、手指消毒、マスクの着用などの基本的な感染対策を徹底するようにしてください。

急性喉頭蓋炎は、のどの痛みや鼻水、微熱などの一般的な風邪症状から発症することが多いです。これらの症状が現れたときは放置せず、できるだけ早く病院を受診するようにしましょう。

おわりに:急性喉頭蓋炎は呼吸困難を引き起こす可能性がある危険な病気

急性喉頭蓋炎は、風邪に似た症状から始まるため軽く考えて病院を受診しない人も多いです。しかし、急に悪化して呼吸困難を引き起こすこともあります。少しでも気になる症状があるときは、念のため病院で検査してもらいましょう。

また、呼吸困難や意識障害、チアノーゼなどの危険な症状がみられたら、すぐに救急車を呼ぶようにしてください。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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