心臓神経症とは、どんな病気?狭心症やパニック障害と何が違うの?

2017/11/21 記事改定日: 2018/11/16
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

心臓神経症とは、心臓には何にも問題がないのに、胸の痛みや動悸など心臓病のような症状が起こる病気です。これは強い不安から起こる心の病気であり、専門の治療が必要になります。
この記事では心臓神経症の症状の特徴や原因や治療のポイントを解説していきます。

心臓神経症とは

胸の痛み、動悸などの症状があって病院で検査しても、何の異常も見られず、その後も同じような症状を感じることがあります。このような病気のことを心臓神経症と言います。

心臓神経症は心臓病というよりも、どちらかというと心の病気です。
神経質であったり、心臓病に対する不安が原因になることが多く、例えば、周囲の友人などが実際に心臓病となったことで、もしかしたら自分もそうなってしまうのではないかという不安が交感神経を刺激し症状が現れ、さらに不安があおられてしまい、ますます症状がひどくなるというスパイラルを生み出します。

心臓神経症の症状の特徴とは?

心臓神経症の症状には、めまいや呼吸困難、動悸、息切れ、胸痛などがあります。
このうち、胸痛は心臓神経症の患者のほとんどが感じている症状です。

狭心症との違い

狭心症でも胸痛が起こりますが、狭心症の場合は、胸の奥が痛い、押さえつけられているような症状が現れます。対して心臓神経症の場合は、ズキズキする、チクチクするといった痛みが現れるのが特徴です。

また、狭心症の痛みは複数の場所で痛くなるのに対し、心臓神経症は左胸のごく一部が痛くなり、痛い部分を圧迫すると痛みが強くなるというも特徴もあります。その他、狭心症の胸痛は運動時に起こりやすく、心臓神経症は安静時に起こりやすいという違いもあるようです。

心臓神経症の診断方法は?

胸が痛い、動悸や息切れがするという場合は、まずは心臓病かどうかの確認が必要です。また、心臓以外にも胸膜の病気や内臓のトラブルなどでも似たような症状が起こることもあるので、その他の病気がないかどうかの確認も行います。
上記のような病気がないことが判明した段階で初めて心臓神経症と診断することができます。

狭心症と区別するために、診断時にニトログリセリンを服用して胸痛が改善するかを確認することもあります。

心臓神経症の治療法

心臓神経症の治療は、なぜ心臓神経症になるのか、今起こっている症状を感じているのか、そのメカニズムを知るところからはじまります。

心臓はいたって正常であり何の問題もないことを理解できた段階で、強い不安によって症状が起こっていることを説明され、それでも不安が拭いきれない場合には、精神安定剤とあわせて心臓の働きを抑える薬が処方され様子を見ることになるでしょう。それでも改善が見られない場合は、心療内科、精神科と連携して治療を進めていくことになります。

パニック障害と心臓神経症は、何が違うの?

パニック障害は精神的な変調によって引き起こされる病気です。パニック障害は何らかの不安を感じる出来事に遭遇したり、過去の嫌な出来事を思い出したりすると突然動悸やめまい、発汗など交感神経亢進による症状が引き起こされ、強い動悸などの症状を胸の痛みと感じることもあります。

一方、心臓神経症の痛みは、日常的にストレスや疲れがたまった時などに生じやすいですが、特定の出来事に遭遇した時に突発的に現れるものではなく、安静時や睡眠中に生じることが多いのが特徴です。
また、痛みとともに動悸や息切れ、めまいなどの症状を生じることもありますが、症状の主体は「心臓の痛み」であり、左胸部のごく狭い範囲にズキズキとした痛みが現れることが特徴です。

おわりに:心臓神経症は、心臓自体に問題がない病気。原因となる不安を取り除く必要がある

心臓神経症の症状は、心臓などの臓器の問題で起こっているわけではなく、不安が原因で起こっています。そのため、症状を改善するには原因となる不安を取り除く必要があるのです。

ストレスや過労などを解消することはもちろんですが、ときには薬が必要になることもあるかもしれません。医療チームと協力しながら、自分のペースでじっくりと治療していきましょう。

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