子供が感染性胃腸炎の特徴と下痢や嘔吐をしたときの対処法

2017/11/28 記事改定日: 2019/1/16
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

ウイルスや細菌などの病原体が原因で、胃腸炎を引き起こすのが「感染性胃腸炎」です。その感染性胃腸炎を子供が発症した場合、どんな症状がでるのでしょうか。
この記事では感染性胃腸炎の症状や特徴、下痢や嘔吐のときの対処法について解説をしていきます。

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感染性胃腸炎ってどんな病気?

感染性胃腸炎とは、ウイルスや細菌などを原因として発症する胃腸炎で、主に乳幼児に多く発症し、1歳以下の乳児は症状の進行が速いのが特徴です。
症状としては、主に嘔吐、下痢などが挙げられますが、脱水症状や電解質喪失を伴うこともあります。嘔吐または下痢のみだったり、嘔吐後に下痢だったりと症状は様々で個人差があり、発熱することもあります。

原因になる病原体

原因となるウイルスは、ロタウイルスやアデノウイルスノロウイルスといったもので、主に冬に多く感染します。
原因になる細菌には、腸炎ビブリオや病原性大腸菌、サルモネラやカンピロバクターといったものあり、主に夏に多く感染します。夏場に起こる食中毒は、主にこれらが原因となります。

子供の感染性胃腸炎の特徴

子供は免疫力が低く、集団生活の中で病原体に触れる機会が多いため、さまざまな原因で感染性胃腸炎を発症しやすいものです。

子供感染性胃腸炎は、嘔吐や下痢などの消化器症状の他に高熱が出やすいのが特徴です。また、それらの症状に伴って容易に脱水状態に陥りやすく、重症化するケースも少なくありません。
子供の感染性胃腸炎は年齢が低いほど、点滴などの入院治療が必要になることが多くなりますので、発症した場合は全身の状態をよく観察してするようにしましょう。

子供の感染性胃腸炎の対処法

子供が感染性胃腸炎を発症したときの対処法は以下になります。

下痢をした場合

下痢をした場合には、脱水症状にならないようにすることが大切です。食事は、すりおろしたりんごやおもゆ、野菜スープなどから始めていき、消化の良いうどんやおかゆ、豆腐などを食べさせてみましょう。

1回の食事量を減らして回数を増やすようにすることで、胃への負担を少なくして食べさせられることができます。脂肪の多い食事やきのこ、海藻などは下痢を悪化させることがあるので控えるようにしましょう。

嘔吐をした場合

嘔吐をした場合も、脱水への対処が必要です。こまめに水分補給をしましょう。薄いりんごジュースなどを飲ませてもかまいませんが、糖度の高い果汁や乳製品は、素早く消化することが難しく、吐き気や嘔吐を繰り返してしまうので注意が必要です。

脱水症状

子供が脱水を起こしたときには以下のような症状が見られます。

  • ぐったりしている
  • 唇や舌が乾く
  • 皮膚に張りがない
  • 目が落ちくぼんでいる
  • 呼吸が荒い
  • 尿量が減ったり、色が濃くなったりしている
  • 大泉門がへこんでいる(乳児の場合)

これらの症状が見られる場合は、脱水に陥っている可能性が高く、早急に治療が必要な状態です。速やかに病院を受診するようにしましょう。

おわりに:子供の感染性胃腸炎は、脱水に注意

感染性胃腸炎は、ウイルス性なのか細菌性なのかによって、症状などが変わってきます。免疫力が低い子供に感染した場合は脱水などの重篤な症状に発展する可能性があるため注意が必要です。
少しでも不安な症状が現れたときは、念のため医師に相談するようにしましょう。

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