記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2025/6/11
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
感染性胃腸炎を発症すると、下痢・おう吐などの症状に苦しむことになり、免疫機能・体力が低い子どもが感染性胃腸炎を発症した場合は、重症化のリスクにも備える必要があります。この記事では、子どもの感染性胃腸炎の特徴と、子どもが感染性胃腸炎を発症したときの対処のポイントについて解説していきます。
感染性胃腸炎とは、ウイルス・細菌などが原因で発症する胃腸炎です、おもに乳幼児に多く発症し、1歳以下の乳児は、とくに進行がはやく進みます。おもな症状としては、おう吐・下痢などが挙げられ、おう吐・下痢の際に脱水症状・電解質喪失に陥ることもあります。おう吐または下痢のみであった、おう吐後に下痢が現れたなど、症状には個人差があり、発熱することもあります。
おもな原因ウイルスとして、ロタウイルス・アデノウイルス・ノロウイルスなどが挙げられ、これらはおもに冬に流行します。おもな原因菌(細菌)として、腸炎ビブリオ・病原性大腸菌・サルモネラ菌・カンピロバクターなどが挙げられ、これらはおもに夏に流行します。夏場に起こる食中毒は、細菌による感染性胃腸炎であることが多いです。
子どもは免疫機能が未発達であり、集団生活の中で病原体に触れる機会も多いため、感染性胃腸炎を発症しやすいといわれています。子どもの感染性胃腸炎は、おう吐・下痢などの消化器症状とあわせて高熱が出やすい傾向にあります。また、おう吐・下痢・高熱により脱水状態に陥りやすく、脱水症状により重症化することもあります。年齢が低い子どもほど入院治療が必要になるリスクが高くなるため、子どもが感染性胃腸炎を発症した場合は、危険な兆候を見落とさないように周囲の大人が見守ってあげることが大切になってきます。
子どもが感染性胃腸炎を発症したときは、以下を心がけることをおすすめします。
下痢をした場合には、脱水症状にならないようにすることが大切です。すりおろしたりんご・おもゆ・野菜スープなど、消化が良く食べやすいものから食べさせ始め、落ち着いてきたらうどん・おかゆ・豆腐などを食べさせましょう。また、1回の食事量を減らして回数を増やすようにすることで、胃への負担を少なくすることができます。こまめな水分補給を心がけ、必要に応じて経口補水液を与えても良いでしょう。なお、脂肪の多いもの、きのこ・海藻などの食物繊維が多いものは、下痢を悪化させる場合があるので控えるようにすることをおすすめします。
おう吐をした場合も、脱水への対処が大切になってきます。こまめに水分を補給し、必要に応じて経口補水液を与えましょう。薄いりんごジュースなどを飲ませてもかまいませんが、糖度の高い果汁や乳製品は、素早く消化することが難しく、吐き気やおう吐を繰り返してしまうので注意が必要です。
子どもが脱水を起こしたときは、おもに以下の症状が現れます。これらの症状が見られる場合は、脱水に陥っている可能性があるため、すみやかに医療機関を受診しましょう。
感染性胃腸炎の症状には個人差がありますが、子どもが発症した場合は下痢・おう吐に伴う脱水症状に注意する必要があります。こまめな水分補給と食べやすく消化の良い食事を食べさせ、脱水症状と思われる変化に気づいた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
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