記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/12/1 記事改定日: 2018/11/16
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
腹痛やお腹の張り、嘔吐などの症状を引き起こす「急性胃炎」。そもそもこの急性胃炎は何が原因で発症するのでしょうか?
今回は、急性胃炎の原因と症状を和らげるうえで大切な胃を休める方法についてご紹介していきます。
緑茶やコーヒーの飲み過ぎや唐辛子をはじめとした香辛料の摂りすぎ、薬(アスピリンやイブプロフェンなど)やストレス、アルコールなど、さまざまなことが原因で起こる病気であり、通常の日常生活を送っていても発症する可能性があります。
ただし、最近ではピロリ菌の感染によって急性胃炎が起こることも報告されています。
急性胃炎には以下のような症状が現れます。当てはまる症状が突然現れた場合には、症状が悪化する前になるべく早く病院を受診するようにしましょう。
急性胃炎の症状の中でも、「貧血症状」と「黒色便」には特に注意が必要です。
急性胃炎は胃の粘膜に炎症が生じる病気ですが、急激に悪化すると胃の粘膜から出血を生じることがあります。胃潰瘍などのように大量な出血が生じる場合には、吐血を引き起こすこともありますが、急性胃炎での出血はジワジワとした少量ずつの場合が多いため、吐血を生じることはほとんどありません。
このため、出血に気づかずに放置されることも少なくありませんが、出血が長期間にわたると貧血症状を引き起こすことがあるのです。
胃粘膜から出血した場合は、便に血液が混じって黒色便が生じたり、めまいやふらつき、息切れ、動悸などの貧血症状が見られます。これらの症状がある場合は速やかに病院を受診して適切な検査・治療を受けるようにしましょう。
急性胃炎の原因がはっきり分かっている場合は、その原因となっている要素を取り除くことがベストです。例えば、ストレスが原因となっているのであれば、ストレスの溜めすぎを、食べものが原因となっている場合は刺激の強い食品を、それぞれ避けるよう心がける必要があります。
急性胃炎の治療では胃を休めることが大切です。具体的には半日から1日ほど食事を避けます。またそれと並行して、薬も服用するようにしましょう。
そして、水分補給も忘れず行うようにしてください。ただし冷水だと胃にとって刺激となる可能性があるので、ぬるま湯程度の温度がベストです。症状が軽い場合は、これらのことを実施するだけで大分楽になるはずです。
また、急性胃炎のときは、胃を休めるためにも食事はお粥やうどんなど、柔らかい食べ物からはじめ、徐々に普通の食事に戻すようにしましょう。
しばらくはコーヒーやアルコール、キムチなど、胃に負担となる食べものは厳禁です。せっかく回復してきた胃に再びダメージを与えてしまうことになります。
急性胃炎のときには、胃粘膜への刺激が少なく、消化のよい食事を心がけましょう。
ここでは、急性胃炎のときにおすすめのレシピを3つご紹介します。
急性胃炎の時には固形物を含まないスープがおすすめです。牛乳は胃粘膜を保護する作用があり、里芋はとろみがありますので胃の粘膜に優しい食材の一つです。両者を合わせたポタージュで胃の痛みを乗り越えましょう。
里芋と玉ねぎを小さく切ってバターで炒め、よく煮込み、適量のコンソメでお好みに味付けします。全体がトロトロになるまで煮込んだら、ブレンダーで一気に撹拌し、牛乳を加えてさらにとろみが出るまで煮込めば完成です。
急性胃炎のときの主食は何といってもお粥がおすすめです。柔らかく煮込むことで消化が良くなり、胃に余計な負担をかけることなくしっかり栄養を摂ることができます。
だし汁は、昆布や鰹節からしっかり取り、しょう油や塩など胃粘膜に刺激を与える味付けを最小限に抑えるようにしましょう。
柔らかめに炊いたご飯をだし汁に投入してトロトロになるまで煮込んだら完成です。
痛みと共に胸焼けや吐き気があるときにおすすめのメニューです。粘膜の修復に必要なビタミンを多く含むビタミンは加熱することで柔らかくなり、胃への負担を最小限に抑えることができます。
バナナは適当な大きさにカットして電子レンジで1分ほど加熱します。そこに、ヨーグルトを加え、はちみつやきなこなどでお好みに味付けすれば完成です。
急性胃炎は日常生活で起こりやすい病気のひとつです。また原因はひとつだけではなく、ストレスや食べもの、アルコールなどによって、起きることがあります。腹部の痛みや嘔吐など急性胃炎の症状が起きたときは、原因を避け、胃を休めることが大切です。特に刺激の強い食べものには注意するようにしましょう。
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