胆嚢がんの症状の特徴とは!?何が原因で発症するの?

2017/11/30 記事改定日: 2018/11/7
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

がんの一種である「胆嚢(たんのう)がん」。今回の記事ではこの胆嚢がんについて、発症した場合に現れる症状や治療法、原因について詳しく解説していきます。

胆嚢がんとは?

胆嚢は肝臓の下にあり、肝臓で作られた胆汁(胆汁は主に脂肪を分解する働きをしています)を一時的に保管している場所です。
肝臓と十二指腸の両方とつながっていて、食べ物が身体に入ると胆嚢に蓄えられた胆汁が胆嚢管を通って十二指腸に分泌され、食べ物の消化分解を促します。

この胆嚢や胆嚢管にできた悪性腫瘍が胆嚢がんです。

原因

胆嚢がんになりやすい原因として、胆嚢炎、胆管炎といった胆嚢周辺に起こる炎症や、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性の難病が挙げられます。また、膵胆管合流異常を起こしている先天性の疾患も危険因子になります。なお、胆嚢がんの約60%に胆石の合併があることから、胆石があることも炎症の原因と考えられています。

胆嚢がんは女性に多く、胆管がんは男性に多いという特徴があります。70歳以上に多いことから加齢も危険因子のひとつです。

胆嚢がんの症状

胆嚢がんは初期の段階では何も症状がでません。そのため初期の段階で発見される時には、検診などで超音波検査を受けた時に発覚することがほとんどです。
ただし、総胆管にがんができた場合には胆汁の通り道が塞がれるため初期の段階でも黄疸が出ることがあります。

病状が進行してくると、胆嚢のある右わき腹の痛みやみぞおちの痛みが出現します。その他に吐き気や嘔吐、体重減少が見られることもあります。

がん細胞が大きくなってきて胆汁がスムーズに流れなくなると、胆汁の中のビリルビンという成分が血液中に流れ込むことで、皮膚や目に黄疸が出現します。黄疸に伴う症状として皮膚のかゆみが強くなることもあります。

同時に、ビリルビンが消化器官に排出されずにいることから、便の色が変化して白っぽくなったり、尿中にビリルビンが排出されて尿の色が茶色っぽく濃い色に変化したりします。

胆嚢がんの末期症状

胆嚢がんは、末期になると肝臓や総胆管、十二指腸、膵臓などに浸潤し、様々な症状を引き起こすようになります。

胆嚢由来の症状としては、胆汁が正常に排出されないことで黄疸が生じたり、細菌感染を生じて胆嚢炎を引き起こし、敗血症などを併発することがあります。また、肝臓に浸潤することで肝機能が著しく低下し、腹水や意識障害、出血傾向などが見られるようになります。

膵臓に浸潤した場合には膵炎を引き起こして腹痛や嘔気などが現れたり、十二指腸が閉塞することで食事が摂れなくなることも少なくありません。

このように、胆嚢がんは末期になると胆嚢由来の症状だけでなく、周辺臓器にも浸潤し様々な全身症状を生じるようになります。

胆嚢がんの治療法

胆嚢がんの治療は、一般的には腫瘍部分を切除する手術療法です。手術は、元々できたがん細胞だけでなく、転移した場所にあるがん細胞も切除して、体内のがん細胞がなくなるようにする基本的な治療法です。

その他には化学療法として抗がん剤を使用して全身にあるがん細胞をなくしたり、放射線治療を行うこともあります。放射線治療はがん細胞に放射線を当ててがん細胞の成長を遅らせ、腫瘍を縮小させる目的で行います。手術療法が基本ですが、がん細胞が大きくなり過ぎていたり、他の場所に転移して手術で除去することが難しかったり、切除部分が大きくなりすぎるときには、これらの治療法を選択することがあります。

他には免疫細胞療法や陽子線治療、重粒子線治療といった新しいタイプの治療法も近年になって取り入れられるようになってきています。胆嚢がんの治療は病状の進行具合によって変わるので、病状に合わせた治療を行うことが重要です。

手術後の予後は?

胆嚢がんは生存率が低いがんの一つです。ステージⅠの早期段階で手術を行っても5年生存率は60%程度とされています。

しかし、進行がんで手術が行えない場合の5年生存率は20%以下であるため、なるべく早く発見し、早期治療につなげることが大切です。普段と違った変調などを自覚した場合には、放置せずに早めに病院を受診する習慣を身につけるようにしましょう。

おわりに:初期症状が乏しい胆嚢がん。右わき腹の痛みや黄疸が出たらすぐに検査を

初期症状がほとんどなく、厄介な胆嚢がん。もしも右わき腹の痛みやみぞおちの痛み、黄疸などが現れたら、胆嚢がんが進行しているサインかもしれないので、すぐに病院で検査を受けてください。

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