胆嚢炎(たんのうえん)の食事療法の基本を解説

2017/12/27

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

「胆嚢炎(たんのうえん)」を治療する上では、正しい食事療法が非常に重要です。今回の記事では、具体的な食事でのポイントと注意点などを詳しくご紹介していきます。

胆嚢炎(たんのうえん)は何が原因で起こる?

まず胆嚢は、肝臓で生成された胆汁を一時的に保管して濃縮する場所です。ここで胆汁を保管しておいて、体の中に食物が入った時に合わせて胆汁が分泌されて十二指腸へ排出されます。胆汁は主に脂肪分を分解する消化酵素です。

そして胆嚢炎(たんのうえん)はこの胆嚢に炎症が起こることで、原因の主なものは胆石です。胆石が胆汁の通り道を防ぐため、胆汁が排出されず細菌感染を起こすようになります。胆石がないのに胆嚢炎を発症する場合は、長期間にわたる絶食や胆管が詰まってしまうこと、また糖尿病や動脈硬化症、膠原病が原因であることが多いです。ほかに、肝動脈塞栓術を行った後に胆嚢炎を発症する事例もあります。

食事療法の基本を知ろう!

胆汁の分泌を正常にするためには、規則正しい時間に食事をとることが重要です。同じ時間に食事をとることで体のリズムができてくると、胆汁も同じ時間に同じような量を分泌しやすくなり、胆汁が溜まってしまうことを防げます。同時に、食事の時によく噛んで早食いを防止することも、胆汁の余分な分泌を防ぐことにつながります。

食事内容に関しては、脂肪分とコレステロールはなるべく摂取しないようにして、食べる時にも少量にしておきます。しかし、絶食をしてしまうと胆汁が流れずに胆嚢内に溜まりがちになってしまうので、良くありません。食欲がわかない時でも何かを口にするようにして、絶食状態になることを避けたほうが、胆汁が胆嚢内にとどまって必要以上に溜まることを防げます。

胆嚢炎の食事療法が行われる場合と注意点

胆嚢炎になってしまった場合には、炎症を起こしている急性期には絶食をして消化器を安静にして炎症がおさまるのを待ちます。その間は入院をして点滴などで栄養を補います。少し症状が落ち着いてきたら流動食から開始して徐々に食事量を増やしていきます。

なお、症状が落ち着いてからも食事内容や食べ方に気をつける必要があります。まず、胆汁は脂肪分を摂取した時に排出されるため、脂肪分をできるだけ減らした食事内容にするようにします。しかし、長期間脂肪分を制限していると、胆汁の排泄量が減り自浄作用も低下することで感染を起こしやすくなります。病状が落ち着いたら脂肪分を適量摂るようにしましょう。他には食事時間を規則正しくすることも重要です。朝食を抜いたり、夕食が遅い時間になると胆汁が濃縮され過ぎるので定期的な間隔で食事をとりましょう。

胆嚢炎の食事療法のポイント

胆嚢炎はほとんどの場合胆石ができることで発症するため、胆石ができないような食事の取り方をすることが大切です。そのためには、脂質をとり過ぎない食事内容にすると効果があります。またコレステロールも同様の理由で摂取量を少なくしたほうがよいでしょう。そして食物繊維を多めにとることでコレステロールが排出されやすくなるので、食物繊維を積極的に摂りましょう。

具体的には肉の脂身や脂がのっている魚は避けるようにします。バターや洋菓子も脂肪分が多いので避けたほうがよいでしょう。調理方法も重要です。揚げ物にすると脂肪分が増えてしまうので、なるべく揚げ物は避けてゆでたり蒸したり焼くといった調理法にするといいでしょう。また卵や乳製品は避けたほうがよい食品です。

おわりに:胆嚢炎の食事療法では、食べ方に気をつけることも大切

胆嚢炎の食事療法では、食材やおかずに気をつけることはもちろん、早食いを避ける、規則正しい時間に食べるといった食べ方も重要になります。ご紹介したポイントに気をつけて、一日も早い胆嚢炎の改善と予防に努めましょう。

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