脾臓が腫れる脾腫の症状とは!?治療後は何に注意すればいい?

2017/12/6 記事改定日: 2018/11/6
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

脾腫とは、脾臓が腫れて大きくなる病気です。脾臓は赤血球や白血球、リンパ球の量に関係しているため、進行すると様々な症状が現れます。この記事では、脾腫について解説しています。

脾臓の働きとは!?脾腫って、どんな病気なの?

脾腫とは脾臓が腫大していること(腫れて臓器全体が大きくなっている状態)を指します。脾臓の働きを理解していない人もいるかもしれませんが、脾臓は体内で重要な働きを担っています。

脾臓の主な働きは、古くなった赤血球を破壊をして取り除くことです。また、白血球や血小板を貯蔵し、出血など身体に異常があったときに備えてくれています。また、脾臓には全身のリンパ球も集まってくるため、免疫機能にも大きな影響を及ぼしているのです。

脾腫になり脾臓が巨大化すると、脾臓が過剰に働く「脾機能亢進」が起こってしまい、赤血球の量が少なくなってしまったり、血液中の白血球や血小板の量が減ってしまうことで、様々な症状が現れます。

脾臓が腫れたときの症状とは?

脾腫になると脾臓が腫れてその分脾臓の面積が大きくなります。脾臓が腫れることで脾臓がある部位である左の肋骨下部である左上腹部や背部に痛みがでることがあります。また脾臓が大きくなることで他の臓器を圧迫して腹部の膨満感を感じることもあるでしょう。

脾臓の腫れ方によっては、肺へ影響して呼吸困難が起こったり、消化器へ影響して便秘や吐き気が起こることがあります。

また、脾腫になり脾臓が大きくなると過剰に白血球や血小板を蓄えるようになってしまったり、赤血球も過剰に破壊してしまうようになります。これが脾機能亢進であり、赤血球が不足して貧血が起こったり、白血球が不足することで免疫が落ちたり、血小板が減少することで出血しやすく、血が止まりにくくなります。

貧血

脾臓には血球を破壊する作用がありますが、脾臓の機能が異常に亢進して脾腫が生じると、脾臓に多くの赤血球が補足され、通常よりも多く破壊されることによって貧血を引き起こすことがあります。

このような貧血を「溶血性貧血」と呼びますが、赤血球以外の白血球や血小板など他の血球成分も減少します。また、血球が減少することによって血球の元となる骨髄細胞が異常増殖したり、黄疸などの症状が現れるのも特徴です。
脾臓を摘出することによって貧血症状は大幅に改善しますが、術後は感染症にかかりやすくなるなどトラブルが生じやすいので慎重な経過観察が必要となります。

脾腫の原因は病気!?どんな病気が引き起こすの?

脾腫は何らかの元になる病気によって引き起こされます。

脾腫の原因となる病気は非常に数が多いですが、代表的なものとして、マラリアや梅毒、結核といった感染症が挙げられます。これは感染症にかかることで脾臓の免疫機能が酷使されて脾臓に大きなダメージが加わるからだと考えられています。

その他、悪性リンパ腫や白血病といった白血球やリンパ球に異常をきたす病気です。白血球やリンパ球が過剰に生産されることで、脾臓は通常の量よりも多く白血球やリンパ球を破壊しなくてはならず、負担が大きくなり機能を補おうとして脾腫を引き起こします。

また心臓循環器系による脾臓への血行不良や肝硬変による肝門脈うっ血も原因の一つです。脾腫が起こった場合には、このような原因となる病気を確認することが重要です。

脾腫の治療方法は?

脾腫の治療は、まず元にある病気を治療をすることが重要です。元になっている病気が治癒すれば脾腫も治ることが多いですが、元になっている病気の治療が困難な場合には脾臓摘出という方法がとられることもあります。また、放射線療法で脾臓を小さくする治療もあります。

摘出後の注意点

手術で免疫機能をつかさどる脾臓を摘出すると、身体全体の免疫機能が弱まるといわれています。そのため脾臓摘出をした後は、いつも以上に免疫機能が落ちているということを自覚し生活していく必要があるでしょう。感染症にかかりやすくなっているので手洗いうがいなどをしっかりと行い、インフルエンザのワクチンを接種するなど、感染を事前に防ぐ対策が重要になります。

おわりに:脾腫で脾臓を摘出すると、免疫が著しく低下するので注意!

脾腫は、脾臓が腫大化して脾機能亢進が起こってしまう病気です。原因となる元の病気を治療すれば症状が治まることも多いですが、元の病気が治療できないときは摘出をしなければいけなくなる場合もあります。脾臓を摘出すると免疫が低下して感染症にかかりやすくなるので、インフルエンザのワクチンは毎年接種するようにするなどの対策が必要です。

脾腫の原因になる病気は生活習慣の改善や感染症の予防で対策できるものもあるので、気になる場合は早めに対処するようにしてください。

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