記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/12/6 記事改定日: 2019/8/9
記事改定回数:2回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
へバーデン結節とは第一関節(指先側の関節)に変形が起こる病気のことです。関節リウマチも指の関節の変形が起こりますが、2つの病気の違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、へバーデン結節とリウマチの違いをまとめています。
へバーデン結節と関節リウマチは、どちらも指の関節が変形する症状が現れます。
よく似た症状ではありますが、
関節リウマチは自己免疫疾患の1つです。自己免疫疾患は、ウイルスなどの外敵を攻撃する免疫システムが誤作動を起こして自分自身の身体を攻撃してしまう病気です。
リウマチの場合は関節が大きな標的部位になりますが、へバーデン結節と違い、関節だけではなく倦怠感や微熱といった全身症状が起こる場合があり、このような全身症状から始まることも少なくありません。
また、指だけではなく他の関節に問題が起こることもあるため、初期症状として足首や肩の痛み、膝の痛みを訴えることもあります。
へバーデン結節は中年期以降の女性に多い、手の指の関節が腫れたり変形がおきる疾患です。
原因はよく判っていませんが、女性ホルモンのバランスの乱れや、加齢、手の使い過ぎ、遺伝的な要素などが複雑に絡み合っているものだと考えられています。
日常生活に特に支障のない場合もありますが、変形がひどい場合はペットボトルの蓋が開けられない、財布から硬貨が取り出せないなどの支障が出てくるようになります。ただし、痛みを感じるケースは2割ほどで、それほど多くはありません。
関節リウマチの特徴的な症状は、起床時の手の指のこわばりです。朝起きた時に、指が固まってしまって動きにくくなります。
この症状は更年期障害でもよく見られますが、更年期の症状の場合は5~6回指を曲げたり開いたりしてグーパーを繰り返すとほぐれてきます。しかし、関節リウマチの場合は、指のこわばりが30分以上続きます。中には午前中はずっとこわばっていることもあるといわれています。
起床時以外にも、スマートフォンを握って友だちと話をしていたら、握っていたときの形のまま指が固まってこわばるといったことが起こることもあります。また、膝が痛い、肩が痛い、足首が痛いなど、指以外の関節が痛くなったり、倦怠感や微熱が続くこともあります。
へバーデン結節と関節リウマチは共に手指の関節に痛みや腫れ、変形などが生じるため症状のみでは見分けがつきにくいです。
見た目だけで診断が下せない場合は、血液検査で鑑別診断を行います。
へバーデン結節の場合は白血球やCRPなどの炎症反応を示す数値のみが上昇し、関節リウマチはそれらの他にも「リウマトイド因子」、「抗CCP抗体」、「MMP-3」と呼ばれる関節リウマチに特徴的な因子の数値の上昇が認められ、この違いによって確定診断が下されます。
へバーデン結節も関節リウマチも「手指の関節の痛み」が特徴です。ただ、その痛みに対する治療法は違ってきます。
へバーデン結節もリウマチも、関節の変形が進行してしまうと、日常生活にも大きく支障をきたしてしまいます。しかし現在は治療法も進歩しているため、半数以上のリウマチ患者が、適切な治療を行うことで健康な人たちと変わらない生活を送ることができるとされています。これはへバーデン結節も同様であり、早期に治療を開始すれば進行を抑えることが可能です。
変形が進んでからでは、治療が困難になってしまうことも少なくありません。早期発見のために、少しでも不具合や違和感を感じた段階で病院を受診するようにしましょう。
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