脂質異常症(高脂血症)の治療 ~ 食事療法と運動を ~

2018/1/9

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

生活習慣病のひとつである「脂質異常症(高脂血症)」。この脂質異常症を治療するには、薬物療法だけでなく、食事療法と運動療法が欠かせません。以降でそのポイントを紹介していきます。

脂質異常症(高脂血症)と生活習慣

脂質異常症(高脂血症)とは、血液中に含まれる悪玉コレステロール(LDLコレステロール)や中性脂肪の量が多くなったり、逆に善玉コレステロール(HDLコレステロール)が少なくなってしまうために引き起こされる病気です。

これら善玉・悪玉コレステロール及び中性脂肪の量が変化する原因としては、生活習慣と遺伝があります。ですが割合でいうと、その殆どは遺伝よりも、食生活や運動不足、喫煙・飲酒といった生活習慣によって引き起こされたものです。つまり、食事を見直し、運動をしていくことでコレステロールの量をコントロールすることが、脂質異常症の治療の上では大切なのです。

脂質異常症の治療法:①食事療法

脂質異常症(高脂血症)の治療をしていく上で、極めて重要なのが食事療法です。病気を引き起こすLDLコレステロールや中性脂肪の量を下げるためには、栄養バランスを見直していくことが必要です。

ポイントとしては、摂取カロリーを適切な範囲に抑えることが第一点です。具体的には、食事では天ぷらやフライなど油であげたものや、バターやマヨネーズを使ったものを食べすぎるのは避けましょう。

次は、肉などの動物性脂肪を控えて植物性脂肪を多く摂ることが第二点です。植物性脂肪では、オメガ9系脂肪酸と呼ばれる不飽和脂肪酸がLDLコレステロールの量を下げるとされているので、積極的に摂取をしましょう。

それから食物繊維も、コレステロールの吸収を防ぐ効果があるといわれているので積極的に摂取しましょう。

脂質異常症の治療法:②運動療法

運動は体を活性化させ、代謝を良くして血糖値やコレステロール値を正常な数値にする働きがあります。

脂質異常症の治療をするのであれば、ウォーキングや水泳など有酸素運動を少なくとも1日あたり30分以上を目指すと良いでしょう。ただし、あまりにも軽い運動だと効果は乏しいですし、逆に過度な負荷がかかるスポーツは持続することが難しく、体が壊れてしまう恐れがあるので避けましょう。

運動する時間が取れないというのであれば、通勤や仕事の移動などでエレベーターや電車・バスなどの利用をやめて歩いてみれば、無理なく体を動かすことが出来るのでおすすめです。

禁煙やストレス発散も重要!

なお、LDLコレステロールを抑えてくれるHDLコレステロールの減少には、喫煙習慣が関わっているとされています。禁煙は始めの頃は辛いかもしれませんが、喫煙は肺がんや動脈硬化など命に関わる病気の要因となる悪習です。健康のことを考えるのであれば禁煙を試みましょう。

それから、ストレスの溜めすぎもよくありません。慢性的なストレスは血圧や血糖値を上昇させる作用があるのですが、するとストレスに対応するために副腎皮質ホルモンが必要になり、副腎皮質ホルモンをつくるためにLDLコレステロールが増えるようになってしまうのです。

スポーツや音楽鑑賞・エステなど、自分の好きなことでストレス発散をしましょう。ただ、食べることが好きだという人は暴飲暴食をしてしまうことがありますが、それは脂質異常症につながるので別の発散方法を探すようにしましょう。

おわりに:早速、日常生活で実践を!

脂質異常症は動脈硬化を招き、心筋梗塞につながるリスクの高い状態です。ご紹介したことを日常生活の中で意識的に取り入れ、健康的な生活習慣に一歩ずつ近づけていきましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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