進行した食道癌の症状・治療・ケア方法について

2017/12/27

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

食道癌は初期にはっきりとした自覚症状が現れない特徴があるため、症状が現れて検査したらすでに末期であったということも少なくありません。この記事では、末期食道癌の治療について解説しています。緩和ケアにも触れているので、もしものときに自身が最良の選択ができるように、参考にしてください。

食道癌が進行するまで気づきにくい理由とは?

食道癌は早期の場合、ほとんど無症状で自覚症状が現れないため気づきにくいとされています。癌が進行するにつれて食べ物が飲み込みづらいと感じたり、胸につかえるような感じを自覚するようになり、さらに食道癌が進行して食道が圧迫されると固形物が飲み込めないどころか、水すらも食道を通らなくなってしまい、体重減少などに陥ってしまいます。
癌が進行するにつれて大動脈や神経、肺などを圧迫したり、穿孔を起こすようになるので背中が痛くなったり、声がかすれたりするようになり、末期になるとリンパ節や他の臓器に転移して、それぞれの臓器特有の症状が出るようになります。

進行食道癌の症状と診断方法

食道癌は、他の臓器へのがんの広がりなどを確認するためにはCTやMRI、超音波内視鏡、気管支内視鏡などを用いて検査で進行や転移の状態を確認し、末期と診断されます。また、リンパ節への転移を調べるために、胸部X線(レントゲン)や腹部の超音波など、それぞれの臓器に対応した検査が必要になります。

進行食道癌の治療法について

手術によるがんの切除や放射線治療、化学療法、光線力学療法など、がんに効果的とされる治療には様々なものがあります。
残念ながらの進行した食道癌は、他の臓器にも浸潤や転移をした状態なので、治療によって全ての癌を取り除くことはできません。末期の治療の場合は、癌の完治を目指すのではなく、進行を遅らせる目的で放射線治療や抗がん剤による治療を行います。

そして、癌自体への治療効果が見込めないほど進行している場合は、癌がもたらす諸症状を軽減させるための治療が施されます。痛みがある場合にはステロイド剤を使い、さらに高度の痛みがある場合はモルヒネなどを使います。
食道が狭窄している場合はバイパス手術を行ったり、胃や小腸にチューブを入れて栄養を送る治療が行われることもあります。骨への転移がある場合は痛みを伴うので痛み止めを使用し、脳への転移がみられる場合は、薬の投薬や放射線療法を行います。

進行食道癌と診断されたら・・・

食道癌の場合は癌末期と判明した時点で余命宣告を受ける人が多いといわれています。治療を行なったとしても残念ながら残された時間が短いことが多いからです。人生をどう生きるか家族や医師と話し合うことが必要になってくるでしょう。
会話や食事が困難になり、呼吸状態の悪化や強い痛みなども見られる可能性があります。これらの精神的、肉体的な苦痛を取り除くために緩和ケアは非常に重要です。

おわりに:進行食道癌の治療方法を検討しよう

進行食道癌と判断された段階で余命宣告を受けることも少なくないようです。食道癌に限らずどのがんにも言えることですが、がんの末期には強い痛みや精神的な苦痛も伴うことを理解しておく必要があります。治療に関しては緩和ケアも含めて検討し、本人と家族が十分納得できる方法を選択するようにしてください。

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