演技性人格障害問題が引き起こす問題とチェックポイントについて

2017/12/20

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東大医学部卒、医学博士

三上 貴浩 先生

演技性人格障害とは、演技性パーソナリティ障害とも呼ばれ、自分が話題の中心でなくては気がすまなくなってしまう心の病です。この記事では演技性パーソナリティ障害が引き起こす可能性があるトラブルと症状に気づくためのチェックポイントを紹介しています。

演技性人格障害はどんな病気?

演技性人格障害(演技性パーソナリティ障害)は、常に自分が周囲の人間関係で話題の中心でなければ気が済まなくなる精神疾患のことです。

注目され続けるために、派手な外見で性的に誘惑するような言動をしたり、たとえ小さなことでも誇張や嘘を混ぜて、過剰に演出して話したりします。その様子が演技がかって見えるのが特徴で、自分で決めた役割を全うするために嘘をついたり、周囲に迷惑をかけてしまうことも少なくありません。

感情の起伏が激しく、異性には誘惑的に、同性には挑発的な態度をとってしまうケースも多いとされ、演技性人格障害を発症する性別には、男女の性差はほとんどないと考えられています。

演技性人格障害が引き起こす問題点とは?

演技性人格障害の人には、自分で自分の価値を認められないために自信がなく、内面に精神的な不安定さを抱えている人が多いとされています。

内面的な不安定さは周囲の注目を集めても解消されることはないため、時間が経つにつれうつ状態や不安障害を発症し、そこから依存症にもなってしまいやすい傾向があります。
また、関心のない人や既婚者に対しても性的に誘惑的な態度をとってしまうため、人間関係に大きなトラブルを抱えたり、犯罪に巻き込まれる可能性も高くなります。

演技性人格障害のチェックポイントについて

演技性人格障害の診断は、これまでの経歴や病歴や問診内容などとあわせて、世界保健機構(WHO)とアメリカ精神医学会の2つの機関が設定した基準に基づいて行われます。

以下のうち5つ以上当てはまる人には、演技性人格障害の可能性があるとされます。
演技性人格障害の疑いを感じた場合は、なるべく早めに専門の医療機関を受診しましょう。

世界保健機構による演技性人格障害の診断基準(ICD-10)

・自己の演技化、芝居がかった態度、感情の誇張表出
・他人や周囲から影響を受けやすいという被暗示性
・浅く不安定な情緒
・自分が注目を浴びる行為、興奮を得られる行為を持続的に追い求める
・不適切に誘惑的な外見や態度をとる
・自分の身体的な魅力に過度な関心を持つ

アメリカ精神医学会による演技性人格障害の診断基準(DSM‐5)

・自分が注目の的になっていない状況では楽しくない
・他者との交流は、しばしば不適切なほど性的に誘惑的な、または挑発的な行動によって特徴づけられる
・浅薄ですばやく変化する情動表出を表す
・自分への関心を引くために身体的外見を一貫して用いる
・過度に印象的だが内容がない話し方をする
・自己演劇化、芝居がかった態度、誇張した情動表現を示す
・被暗示的(他人または環境の影響を受けやすい)
・対人関係を実際以上に親密なものと思っている

おわりに:演技性人格障害はうつや他の心の病に発展する可能性も!疑わしい症状があるときは早めに専門機関に相談を!

演技性人格障害は、本人に発症の自覚がないまま、うつ状態など他の精神疾患まで引き起こしてしまうことも多い病気です。もし、チェックポイントで本人や周囲が演技性人格障害の可能性に気づけたなら、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。

みんなのメンタルヘルス の情報をもとに編集して作成 】

この記事に含まれるキーワード

うつ病(61) 精神疾患(9) パーソナル障害(3) 演技性人格障害(2) DSM‐5(2)