虚血性大腸炎の予防と治療後におすすめの食事について

2017/12/20

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東大医学部卒、医学博士

三上 貴浩 先生

虚血性大腸炎とは、腸の血管が一時的に詰まってしまうことで発症する病気です。動脈硬化などが主な原因ですが、これに便秘が重なると発症しやすくなる場合があります。この記事では虚血性大腸炎の予防や治療後におすすめの食事について解説しています。

虚血性大腸炎と動脈硬化・便秘の関連性

虚血性とは、血液が届かなくなるということであり、「虚血性大腸炎」は大腸に栄養や酸素を与える血管が一時的に詰まり、血流が滞ったり断たれてしまうことで腸管内側の粘膜が損傷し、炎症や潰瘍(かいよう)、悪化した場合には腐ってしまう病気です。
突然の激しい腹痛、下血、下痢などの症状がみられ、嘔吐や発熱がある場合もあります。腸内に無数に張り巡らされている血管が「動脈硬化」を起こしてふさがったり狭くなり、そこに「便秘」が起こることで腸の内圧が上がることなどが原因で発症することもあると考えられています。

もともと心臓疾患や動脈硬化、高血圧、高コレストロールなどがある人、便秘がちの人はリスクが高く、高齢者に多い病気でしたが、近年では食の欧米化やストレス、無理なダイエットなどから若い世代での発症も増えているといわれています。

動脈硬化・便秘を防ぐことがポイント!おすすめの食べ物は?

虚血性大腸炎は動脈硬化による大腸の損傷が便秘などをきっかけに発症することがあるため、この2つを防ぐことが予防につながることもあります。
この2つの原因には共通する食生活がみられることから、食生活を見直し改善することで予防につなげていきましょう。

動脈硬化の発症には、揚げ物や脂身、ジャンクフードなどの脂質のとり過ぎや、血圧を上げる作用がある塩分のとり過ぎなどが関係しています。また、喫煙や運動不足、飲酒、加齢による新陳代謝の低下、バランスの悪い食生活やダイエット、偏食などは、便秘とも共通した原因です。
食事は腹八分目を心掛け、青魚や大豆、海草や根菜などから積極的に食物繊維をとり、濃い味付けを避けるようにしましょう。また、オリゴ糖や乳酸菌、食物繊維、酵母、ビタミンCやビタミンE、ミネラル、クエン酸、ベータカロチンやタンパク質なども良い効果があるとされています。ブロッコリーやトマト、ほうれん草、ニンジン、カボチャやナッツ類、鶏むね肉や大豆、白身魚などに多く含まれているので、積極的に摂ることをおすすめします。

虚血性大腸炎の治療後にはどんな食事をすれば良い?

治療後は、なるべく腸に負担をかけないよう白米を10倍のお湯で形がなくなるまで煮た重湯(おもゆ)などがよいとされています。塩分摂取を抑えるためにも、昆布や鰹節を入れるなどして、味付けを工夫していくとよいでしょう。

栄養面を考え、食塩や添加物不使用の野菜ジュース、ヨーグルト、甘みが欲しければ熟したバナナなどを摂ることも良いといわれています。また、腸内の善玉菌を増やすことが大切なことから、高純度のオリゴ糖を取り入れることなどもおすすめです。腸への負担を避けるため、冷たすぎたり熱すぎる食事は避けるようにしましょう。

その後は、徐々に豆腐やカレイなど筋の少ない白身魚、卵料理やしっかりゆでた野菜から食事に加えるようにしてください。大豆や根菜、繊維のしっかりした野菜や魚は様子をみながら取り入れることが大切です。コレストロールや脂肪を多く含む食品はできるだけとらないようにしながら、便秘体質を改善していくようにしましょう。

おわりに:動脈硬化と便秘が深く関わる病気。予防するには食習慣を改善しましょう

虚血性大腸炎は、大腸内の動脈硬化による虚血が大腸を痛め、便秘などによる強い圧力によって発症することがあります。予防や治療後には、食事や生活習慣を動脈硬化や便秘を引き起こさないものに改善していくことが大切です。脂肪や塩分、コレストロールに気をつけながら、バランスのとれた食事をするようにしましょう。

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