亜鉛を摂って味覚障害を防ごう! 効果的な亜鉛の摂取方法とは

2017/12/20

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東大医学部卒、医学博士

三上 貴浩 先生

味を感じるためには、味蕾が正常に働くことが必要であり、そのためには新陳代謝が盛んに行われる必要があります。この記事では、亜鉛と味覚障害の関係性について詳しく解説しているので、味覚の悩みを抱えている人は参考にしてください。

味覚障害が起きる原因は亜鉛不足?

舌の表面にある味蕾(みらい)という微小な感覚器官が正常に働いくことで味を感じます。味蕾の中にある味細胞は、新陳代謝が特に活発な細胞で、約1か月と短い周期で新しく生まれ変わっており、その再生のためには亜鉛が重要な働きをしています。
つまり、亜鉛が不足すると細胞が生まれ変われなくなってしまい、古くなった味蕾で食事をすることになるため、味覚に障害が生じ、その結果として味覚障害に陥ってしまうと考えられるでしょう。

亜鉛は、成長ために多く必要とする子供や、偏った食事をしているダイエット中の人、高齢者などで食事の摂取不足がある人に不足しがちな成分です。また、重い病気やケガを患っている人は、病気を治すために代謝が盛んになることで、亜鉛の消費量が多くなったり、下痢によって喪失されるため不足しやすくなるといわれています。

亜鉛不足を防ぐにはどうすれば良いの?

亜鉛不足を予防するためには、食生活上の注意と日常生活の見直しが大事です。

人体に対する亜鉛の毒性は非常に低いとされており、通常の食生活で亜鉛を過剰摂取することもほとんどないため、食事から摂取する分には亜鉛の摂りすぎで健康に害が出る心配はほとんどないといわれています。亜鉛を含む食品を積極的に食べるようにしましょう。

厚生労働省によれば、一般的な成人男性の1日に必要な亜鉛の量は12mg、成人女性の場合には9mgとされています。全般的に魚介類や海藻類は亜鉛を多く含む食材ですが、特に牡蠣は亜鉛が多く、100g中148.6mgと、食材の中では最も多くの亜鉛を含むといわれています。
肉類の中では子牛レバーの亜鉛が最も豊富で、100g中6.1mgです。
それ以外に小麦胚芽、小麦全粒粉、チーズやポップコーン、野菜ではかぶの葉やほうれんそうが、亜鉛含有量の多い食品として知られています。

他方、加工食品やファーストフード、インスタント食品などにはリン酸塩など食品添加物が多く含まれる傾向があり、この食品添加物は亜鉛の吸収をブロックしてしまう働きがあるとされています。
またアルコール類、そして甘い菓子類は、体内で亜鉛を消費しながら分解される性質を持っているため注意が必要です。
さらに喫煙が亜鉛不足を招き味覚を鈍くする可能性があることが指摘されています。

亜鉛を効率良く取り入れるには、どんな方法がある?

ビタミンCは、亜鉛・鉄・カルシウムなどのミネラルと一緒に摂取することで、これらのミネラルを包み込み、体に吸収しやすくなりなるといわれています(キレート作用)。
生がきやカキフライを食べるときに、ビタミンCを多く含むレモンをかけるのも、ある意味利にかなった摂取方法といえるかもしれません。ただし、十分な量のレモンをかけるわけにはいきませんので、葉物野菜やフルーツなどをあわせて食べるようにしてください。

また、アルコールを分解するときには、アルコール分解酵素が働きます。この働きにも亜鉛が使われるので、お酒を飲むときは、普段より多めの亜鉛の摂取を心がけるようにしましょう。

注意すべきことは、一般的な食事から1日12mgの成人男性所要量の亜鉛を摂ったとしても、大半が体外に排出されてしまうことです。また、吸収の妨げになる栄養成分を摂りすぎたりすれば、ほんの少量しか体内に吸収されず、欠乏状態に陥ります。食事で毎日所要量を摂取し続けることが因難と思われる場合は、サプリメントで補給するようにしましょう。

おわりに:食事だけで十分な量を摂取できないときは、サプリメントを利用しよう!

現代の日本人に多い味覚障害の主な理由は、体内の亜鉛不足といわれています。食生活の見直しとともに、アルコールや喫煙といった生活習慣についても見直すことが大事です。また食べ合わせを工夫したり、サプリメントの上手な活用にも注意するようにしましょう。

 厚生労働省HP の情報をもとに編集して作成 】

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