味覚障害になったら、食事はどのようにすれば良い?

2017/12/20

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東大医学部卒、医学博士

三上 貴浩 先生

味覚障害とは、味を感じなくなったり、本来の味とは違う味に感じてしまうことをいいます。この記事では、味覚障害の原因と、味覚障害になってしまったときにできる食事面での工夫の方法について紹介しています。

味覚障害とは?

味覚障害とは、味覚機能(甘味、酸味、塩味、苦味、旨味など)に低下や麻痺がみられ、本来の味とは異なる味と感じたりしてしまう状態です。患者の約半数近くを65歳以上の高齢者が占めますが、若年世代でも増加傾向にあるといわれます。

味覚障害で代表的な症状は、味がわからなくなる味覚低下あるいは味覚消失で、70~75%の患者に現れるといわれています。次に多い症状は「何も食べていないのに口の中が苦い」などと訴える自発性異常味覚で、味覚低下とともに現われる場合もあります。そのほか、本来と味を取り違える症状、何を食べてもおいしくないと感じる症状などが生じることもあります。

味覚障害が起こる原因は何?

味覚障害は、日常生活に起因するものと、病気に関連する場合との2種類に分かれます。
前者としては、偏った食生活による亜鉛不足、高齢による味覚機能の減退、嗅覚の低下、薬の副作用、舌の表面の異常などが挙げられます。
後者の病気としては、糖尿病、肝不全、腎不全、甲状腺疾患などが挙げられます。また味覚を伝達する神経経路が異常をきたすことで味覚障害を起こす疾患として、顔面神経麻痺や脳梗塞・脳出血、聴神経腫瘍などがあります。

味覚障害になったときは食事面の工夫で対処ができることも

味覚障害で食事を美味しく感じなくなったことで食事量が減ってしまうと思わぬ健康被害が発生してしまう場合があります。また、病気が原因で味覚異常が現れた場合は、食事をきちんととらないと回復が遅れてしまう可能性もあるでしょう。
食事制限や栄養指導はきちんと守る必要がありますが、許可された食事に関しては、味付けなどを工夫して対処ができることもあるのです。

異常を感じる味がある場合は、似た味の調味料を代用するなどしながら柔軟に対処していきましょう。
たとえば、塩味やしょうゆ味を、苦く感じたり金属味を感じる場合は、みそなど塩味の代わりとなる基本調味料を用いたり、だしやごまの香り、酢の風味などを加えることで改善する場合もあります。食前にレモンやフルーツジュースで味覚を刺激することもおすすめです。

甘みを敏感に感じやすい場合は、塩味やしょうゆ味を濃いめにしてみたり、砂糖やみりんなどの甘味を控える、ジュースや酢など酸味を利用する、自分の好みのスパイスを用いるなどの工夫で改善する可能性があるでしょう。

味を感じにくいときは、味付けを濃くしたり、酢の物、汁物、果物を多く取り入れる、食事の温度を人肌程度に冷まして食べるなどの対策をとることで、いくらか味を感じやすくなる場合があります。

食べ物が苦く感じる場合は、苦みを消すために、ドロップやキャラメルを口直しに食べてみましょう。香辛料も効果的とされますが、好き嫌いや個人差があります。いろいろと試しながら、自分にあったものを選びましょう。

また、口の中が乾燥していると、味蕾が味の成分をうまく感知することができず、味を判別しにくくなるといわれています。梅干しやキャンディー、ガムを食べて唾液の分泌を促したり、水分を多くとるようにしましょう

おわりに:症状が続く場合は病院で診てもらおう!

味覚障害は、知らず知らずのうちに症状が進行し、気がついた時にはかなり症状が進んでいるケースも少なくありません。また味覚障害自体は生死に直接関わる病気ではありませんが、何らかの病気が引き金になっている可能性もあります。自分の味覚に応じた味つけなど柔軟な食生活を心がけることも大切ですが、長続きする場合は必ず病院を受診するようにしてください。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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