記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/1/16 記事改定日: 2020/8/27
記事改定回数:3回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
慢性胃炎になると、空腹時や食後に胃の不快感(むかつき、もたれなど)が出てきますので、食事面に対策が必要です。胃にやさしく消化にいいレシピやコンビニ食の選び方を紹介します。また慢性胃炎とピロリ菌の関係など基本的な知識も一緒に理解していきましょう。
胃には腺細胞(何層かの粘膜でできている胃酸を分泌するもの)が存在しています。腺細胞が何らかの原因で徐々に委縮する状態が続き、胃酸の分泌が減っていく病気を慢性胃炎と言います。
慢性胃炎は、以前は加齢が原因と考えられていましたが、近年はピロリ菌の長期感染が原因という考えが主流になりつつあります。
慢性胃炎の症状は、他の胃の病気とほぼ同じであり、特有の症状はありません。
このため、症状だけでは判断しづらいのですが、内視鏡で胃の粘膜を見ると慢性胃炎かどうかがすぐわかります。なお、急性胃炎と異なり、慢性胃炎は完治が難しいため、対症療法が行われます。
慢性胃炎は上述した通り、完治が難しい病気です。ピロリ菌の長期的な感染が原因との考え方もあるため、ピロリ菌感染が確認された場合は除菌治療を行うこともありますが、基本的には症状を改善するための薬を使用した「対症療法」が行われます。
具体的には、胃の粘膜を保護する効果のある胃薬、胃酸の分泌を抑える薬、胃の動きを活性化させる薬などが用いられます。
その他、アルコールや香辛料の多い食事など胃の粘膜に負担をかける飲食を避けるといった食事療法が行われることもあります。
慢性胃炎になると、腺細胞から分泌される胃酸の量によって胃の酸性度が異なるため、胃の状態に合わせた食事を摂ることが重要です。
栄養価が高いのはもちろん、消化しやすい食べ物を心がけましょう。
刺激物(アルコールやカフェイン、スパイスの効いた食べ物)や脂肪分が多いものも控えましょう。
調理するときは煮て柔らかくするなど、食べ物を消化しやすくしましょう。
また、胃に負担をかけないよう、1回の食事量を少なくすることも大切です。これは食事量が多くなると一度に大量の食べ物が胃に入ってしまうため、消化に必要な消化液を大量に出さなければならず、胃にかかる負担が大きくなるためです。
慢性胃炎のときは、消化の良い食べ物をとるようにしてください。
胃酸を調整する食べ物胃酸を調整をする働きがあるとされているヨーグルトや卵など
おかゆでも胃の不快感があるようでしたら、重湯にしてみてください。また、タンパク質を摂るときは白身魚やささみなど、脂肪分の少ないものを選んでください。
慢性胃炎は、胃の粘膜が慢性的に炎症を引き起こしている状態です。このため、食事はなるべく消化が良く、胃の粘膜に負担をかけないように心がける必要があります。
食事を作るときはなるべく消化しやすいよう、しっかりと食材に火を通してください。また、揚げ物といった油を多く使う食べ物は控えましょう。
慢性胃炎のときにおすすめのレシピを3つご紹介します。
素麺を温めて食べるにゅう麺は、細く柔らかいため消化が良く、汁物なので少量でも満腹感があります。具は柔らかい肉団子やよく煮込んだ野菜などがおすすめです。
また、だし汁はしっかり出汁をとったものを使用して、胃粘膜に負担をかける塩分を少なめにするのがポイントです。
大根には胃粘膜の炎症を抑える酵素が多く含まれており、胃炎の時には積極的に摂りたい食材です。お腹に優しいお粥に混ぜて食べるのがおすすめです。
牛乳は胃粘膜を保護する作用があり、スープにすることで多く摂取することができます。また、柔らかく煮込んだキャベツなどの野菜をプラスすることで粘膜修復に必要なビタミンも摂ることができます。
慢性胃炎のときは、胃にやさしく負担をかけない食事を摂ることが大切です。そのため調理法を工夫した自炊が勧められます。
しかし、仕事などで忙しい方は毎日自炊をするのが困難な時もあるでしょう。自炊できない時は便利なコンビニ食を摂り入れても問題ありませんが、症状を悪化させないためにも次のような食品を選ぶようにしましょう。
胃の不快感が長引いているなど、慢性胃炎かもしれません。柔らかくて刺激の少ない食べ物を小分けに食べながら様子をみてください。それでも不調が続くようでしたら、他の病気の可能性がないかを医師に診てもらいましょう。
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