記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/1/19 記事改定日: 2018/9/18
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
胃や腸にガスが溜まるのは、早食いなどで空気を飲み込みすぎてしまったり、便秘などが原因です。このような状態を改善する薬はあるのでしょうか。
この記事では、お腹にガスが溜まったときに役立つ薬を紹介します。
胃や腸には、健康な人でも、飲食をした際に一緒に飲み込んだ空気や食物を消化する際に発生するガスが溜まるものです。
所謂ゲップやおならは、これらのガスが体外に排出される空気です。胃や腸にガスが溜まること自体は正常ですが、過剰なガスがたまることで胃部不快感や嘔気、腹部膨満感などの症状に悩まされることもあります。
このような症状を引き起こすほどガスが溜まる場合、何らかの病気が潜んでいる可能性も否定できません。例を挙げると、多くの空気を無意識に飲み込んでしまう呑気症や、排便が正常に行われなくなる便秘などです。特に便秘は、大腸がんや大腸ポリープなど腸の器質的な疾患や、過敏性腸症候群など様々な疾患が原因となって引き起こされます。
胃や腸にガスが溜まり、苦しい思いをしている人は一度病院で検査・治療を受けることをおすすめします。
鼓脹(こちょう)とは、何らかの理由で胃腸、または腹腔に大量のガスがたまって、おなかが張った状態になることを言います。
おなかが膨張して苦しく感じ(腹部膨満感)、たたくとポンポンと太鼓を鳴らすような音がするのが特徴です。
胃や腸に過剰なガスが溜まると、様々な症状が引き起こされます。
胃のガスは、胃部不快感や嘔気などを引き起こし、場合によっては胃の内容物がガスと共に食道に逆流することで逆流性食道炎を発症することもあります。
一方、腸に過剰なガスが溜まると、腹部膨満感による腹痛や嘔気などが生じます。
また、胃や腸にガスがたまると、所謂ゲップやおならが生じやすくなり、外出が億劫になるケースや対人関係に支障をきたすケースも少なくありません。
先に述べたように、ガスがたまることによるおなかの張りの主な原因は、腸内環境の乱れによるものです。
消化器官である胃腸でのガスの産出量と、実際の排泄量のバランスが崩れることによって起こるとされ、胃腸に負担が少なく、ガスが発生しにくい食生活を心がけることで予防できます。
さつまいもや動物性たんぱく質などのガスを発生させやすい食べ物の摂取を控えたり、腸内環境を整える効果のある発酵食品などを摂取してみましょう。
また、服装や生活を見直してリラックスした状態を保つこと、胃に空気を入れないようにゆっくり噛んで食べる、食べ過ぎないように気を付けるなどの対策も効果的とされています。
鼓脹など、ガスがたまることによるおなかの張りの症状は、薬で解消することができます。
乳酸菌やビフィズス菌などの入った市販の整腸剤は腸内環境の整備を助けてくれるため、腸内で生産される腐敗ガスの量が減る効果が期待できます。
消泡作用を持つ医療用のジメチルポリシロキサン(ジメチコン)のような消泡剤も、腸内ガスの吸収と排泄を促進するため、おなかの張りの改善に役立ちます。
また、東洋医学の世界では鼓脹のようにおなかが張る症状のことを「腹満」と呼び、治療薬として大建中湯(だいけんちゅうとう)、桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)、厚朴生姜半夏甘草人参湯(こうぼくしょうきょうはんげかんぞうにんじんとう)などの漢方薬が処方されることもあります。
鼓脹など、おなかが張る症状には深刻な病気が隠れていることもありますが、ほとんどは早食いや食べ過ぎなど、生活習慣や食習慣の乱れによって引き起こされるものです。おなかの張りは、食欲不振などにもつながる辛い思いをする原因にもなりかねないので、症状が出たら、お医者さんのアドバイスを受けながら、体質にあった方法で改善を目指しましょう。
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