記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
2022/1/5
記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
疲れ目は、パソコンやスマホを長時間使用することの多い現代人によく見られるものです。こちらの記事では、疲れ目の症状や原因、疑われる疾患、自分でできる対処法について解説します。
目には、水晶体の厚さを調節してピントを合わせるための「毛様体筋」という筋肉があります。目を酷使することで毛様体筋の緊張が続き、調節機能が低下して「疲れ目」が起こります。
疲れ目の原因となるのは、パソコンやスマホの使用、運転、読書、勉強など、長時間同じものを見続けることです。特にパソコンやスマホの画面から発せられるブルーライトは、ピント合わせをより難しくするといわれています。度の合わないメガネやコンタクトレンズの使用や、老眼、目の疾患も疲れ目の原因になります。
疲れ目の代表的な症状としては、以下のような症状が挙げられますが、肩こり・首筋に凝りや張りが生じたり、頭痛や吐き気が起こったりすることもあります。このように症状が重い疲れ目は、「眼精疲労」されることがあります。
目の疲れが症状のひとつとして現れる病気として、以下が挙げられます。
ドライアイは、目の表面を潤す機能が低下し、目の乾燥感や異物感(ごろごろする感じ)、痛み、まぶしさ、充血などの症状が現れます。涙の分泌量が減ったり質が低下したりすることが原因です。
暗点(見えない場所)の出現、視野の欠けが代表的な症状です。眼圧が上昇すると、頭痛や吐き気などを伴います。症状の進みは穏やかではあるものの、一度進行すると視力や視野は元に戻りません。
加齢など、さまざまな原因で水晶体が白く濁る病気です。視野がかすむ、2重3重にぼやける、まぶしく見えるなどの症状があり、進行すると視力が低下してメガネをかけても見えなくなってしまいます。
長時間、同じ姿勢でパソコンやスマートフォンの画面を見続けると、目の疲れが蓄積します。パソコンやスマートフォンを長時間使う場合は、1時間に1回、1分程度はパソコン画面から目を離し、遠くや別のものをぼーっと眺めてみてください。また、意識的に瞬きを増やして涙の分泌を促しましょう。
血流を改善し、目の筋肉の緊張を解くために、蒸しタオルなどを目の周りにあてて温めます。注意点は、タオルを熱過ぎない程度に温めること、ひどい充血や炎症がある場合には避けることです。
目の周りをよく温めてから、目に良いとされるツボを押します。眉頭の内側、目の骨縁のへこんだところの「攅竹」、目頭の左右のくぼみ、鼻の付け根の両側の「清明」こめかみの下、少しくぼんだ部分の「太陽」をやさしくおさえましょう。
疲れ目は思わぬ病気が潜んでいることがあるため、看過できない症状の一つです。次のような症状や身体の変化が見られる場合は、思わぬ病気が背景にある可能性もありますので、放置せずに早めに病院を受診しましょう。
長時間のパソコン・スマホの使用などが疲れ目の原因となり、目の疲労症状だけでなく、頭痛や肩こりなどをも引き起こします。ただ目が疲れているだけだと思っていたら疾患が隠れていることもあるため、気になる場合には眼科を受診してください。