記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
2022/11/17
記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
ドライアイは、目の乾燥により痛みやかゆみなどの症状が起こる目のトラブルです。現代は、仕事でもプライベートでもパソコンやスマートフォンの画面を長時間凝視することが多いです。「おひとりさま」を楽しむ人が増えたこともあり、ドライアイの症状に悩み始めたという人もいると思います。今回は、ドライアイの症状と原因、治療法について解説します。
ドライアイは軽い症状で治まるものが多く、ひどくなることはあまりありません。しかし、より深刻な症例の場合はひどい痛みを伴うこともあり、合併症につながる恐れもあります。また、症状は左右のどちらの目にも現れ、多くの場合、以下の特徴があります。
なお、ドライアイになったことのある人のなかには「流涙(涙が過剰に流れて止まらない状態)」の経験がある人もいるかもしれません。流涙は、ドライアイによる目が炎症を軽減しようと、涙を多く生成することから起こる現象です。
ドライアイは、複雑な涙の生成過程が何らかの方法で邪魔されたときに起こります。おもな原因として以下が挙げられますが、原因を特定できないこともあります。
ドライアイになる確率は、年をとるにつれ高くなり、男性よりも女性に現れやすいといわれています。しかし、これはあくまでも傾向であり、ドライアイはどの年齢層にも起こる可能性があります。思い当たる症状があるときは、早めに眼科の医師に相談するなど、年齢や性別に限らず早めに対策をとることをおすすめします。
涙は医学的には「涙液」と呼ばれ、「目の乾燥を防ぐ」「外部の刺激から目を保護する」「目の組織に栄養を供給する」「殺菌する」などの働きを担っています。涙液は粘液層・水層・油層の三層で構成され、それぞれ以下の特徴・働きがあります。
これらの働きがきちんと行われる状態であれば、涙腺でつくられた涙は、瞬きをしたときに眼全体に広がることができます。しかし、なんらかの原因で水層の分泌量が減る、涙の成分量が変化するなどすると、涙が分泌されても目の表面に留まらない、涙がすぐに乾いてしまうなどの状況に陥り、ドライアイなどの目のトラブルが発生します。
ドライアイは軽い症状のものが多く、以下のような治療で症状を軽減させることができます。ただし、ドライアイが何らかの病気によって引き起こされている場合、原因となる病気の治療が優先して行われます。
ドライアイは、日常生活の環境や生活習慣が影響するため、以下の対策が予防や症状軽減につながります。
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ドライアイのおもな原因は、目の乾燥と疲労です。目は仕事でもプライベートでも活躍する器官のため、なかなか時間がとれない人もいるかと思いますが、睡眠不足を解消する、こまめに休憩をとるなどして、目を休ませるようにしましょう。また、ドライアイは、軽い症状でもきちんと対策をしないまま長期化すると、慢性化・悪化する可能性があります。なかなか治らないドライアイや日常生活に困るほどひどい症状のドライアイがあるときは、早めに眼科の医師に相談しましょう。