末梢性顔面神経麻痺の症状って?額にシワが寄せられないのはサイン?

2018/1/26 記事改定日: 2020/10/5
記事改定回数:2回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

顔の筋肉を思うように動かせなくなる症状を顔面神経麻痺と言います。この記事では末梢性顔面神経麻痺について、額にシワを寄せられるかどうかなどの特徴的な症状を紹介します。またウイルス性、がんなど腫瘍性など原因ごとの治療法も一緒に確認しましょう。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

末梢性顔面神経麻痺とは?年齢が発症に影響するの?

顔面神経麻痺は、顔の筋肉を動かすための神経に異常があり、思うように動かせなくなってしまう病気です。

顔面神経麻痺には脳幹から末梢の顔面神経に障害が生じる末梢性顔面神経麻痺と、脳の中の中枢神経系内に異常が生じることで起こる中枢性顔面神経麻痺の2種類に分けることができます。顔面神経麻痺の約9割は末梢性顔面神経麻痺であるといわれています。

末梢性顔面神経麻痺には種類があります。代表的な2種類の末梢性顔面神経麻痺を紹介します。

ベル麻痺

急性かつ原因不明で発症。発症数は比較的ベル麻痺のほうが多く、ベル麻痺は年齢が上がるにつれて、発症する人が増える傾向があります。

関連記事:ベル麻痺の症状にはどんなものがある?

ラムゼイ・ハント症候群(ハント麻痺)

帯状疱疹ウイルスなどによって耳の内部から症状が出始め、聴覚障害を起こした後に顔面麻痺になります。

末梢性顔面神経麻痺の症状は?額にシワを寄せられるかが基準になる?

末梢性顔面神経麻痺では、以下のような症状が現れます。

  • 口角が下がる
  • 口の動きが悪くなる
  • よだれや飲食物が口角からこぼれることがある
  • 目が閉じられず、充血しやすくなる
  • 眉毛を上げることができない
  • 額にシワを寄せられない

脳の病気によって引き起こされる中枢性顔面神経麻痺は、片側の脳にダメージが加わっても正常な反対側の脳がその働きを補う仕組みが作用します。このため、麻痺の程度は軽いのが一般的です。

しかし、末梢性顔面神経麻痺は左右に分岐したどちらかの顔面神経にダメージが加わることで発症するため、麻痺側を補う仕組みが存在せず、中枢性よりも強い麻痺症状が現れるのです。

特に、額にシワが寄せられるか否かは、中枢性か末梢性かを簡易的に判断するよい指標となるといわれています。

末梢性顔面神経麻痺の治療は原因ごとに異なる?

顔面麻痺の原因が判明している場合、その原因を治す必要があります。

中耳炎などウイルス性の症状が原因の場合

抗生物質などによる治療を行います。

がんなどの腫瘍が原因の場合

外科的な手術で腫瘍を取り除く必要があります。また、薬や手術での治療とあわせて、顔面に温かいタオルなどをあてて血流を良くする、マッサージや顔の体操で筋肉を動かしやすくするといったリハビリに取り組む必要があります。

原因がわからない場合

ベル麻痺のように麻痺の原因がわからない末梢性顔面神経麻痺もあります。薬物による治療が一般的です。ステロイド剤や抗ウィルス剤、ビタミン剤などを併用する治療が多くなります。

麻痺が軽度であれば1~2カ月ほどで治療を終えることができ、重度のベル麻痺の人でも90%近くの人が完治するとされていますが残りの10%近くの人には後遺症が残ることがあります。

麻痺が治ったあとにもリハビリは必要?

末梢性顔面神経麻痺の中でリハビリが必要なのは症状が重い2~3割ほどとされており、多くはリハビリをすることなく自然に治るとされています。
しかしながら、重症な場合には適切なリハビリを行わなければ神経障害が残ることもあるため注意が必要です。

基本的に、症状が改善したあとはリハビリを続ける必要はありませんが、この病気は再発することもあります。再発を防ぐため、日ごろから生活リズムを整える、バランスよい食事を心がけるなど免疫力を維持できるような生活を送るようにしましょう

また、顔の動きが悪い、顔に痛みがあるといった症状がある場合はできるだけ早めに病院を受診することも大切です。

おわりに:原因不明の末梢性顔面神経麻痺も完治する可能性あり!まずは病院に相談を

ベル麻痺のように原因がはっきりしない末梢性顔面神経麻痺でも、薬物治療などで完治する可能性はあります。まずは病院を受診し、自分の状態や症状にあわせた適切な治療・リハビリを続けていくことが大切です。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

ベル麻痺(7) 顔面神経麻痺(10) 末梢性顔面神経麻痺(1) ラムゼイ・ハント症候群(4) ハント麻痺(1)