全身性強皮症で難しくなる動作とその対処法とは?

2018/1/24

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

全身性強皮症は徐々に皮膚や内臓が硬くなって、日常生活の中でよくある動作がしづらくなってくる症状です。この症状があらわれた場合、進行を遅らせるためにどのようなことができるのでしょうか。

リハビリが必要なのはどうして?

全身性強皮症は徐々に皮膚や内臓が硬くなって、今まで当たり前にできていた動作が難しくなる病気です。症状がひどくなると、日常生活を送ることが難しくなる可能性があります。また、体を動かさずにいると筋力まで落ちてしまい、さらに体を動かしにくくなってしまう、という悪循環に陥ります。
このような状態を予防するためには、リハビリが有効です。動かしづらい部分を積極的に動かし、できる限り機能を残すことが大切です。また、動かすことで筋力の低下や関節の可動域の制限も予防することができます。

全身性強皮症になると、どんな動作が難しくなるの?

全身性強皮症になると、手の指に症状があらわれることが多いため、缶ジュースやペットボトル、ビンのふたを開ける、牛乳パックのふたを開ける、スナック菓子の袋を開けるといった、手指を使った動作をするときに不便を感じるようになります。他に手先を使う動作として、指の爪を切ったり、針に糸を通したりすることなどがあります。
症状が腕にあらわれたときは、高いところにある荷物を下ろすという動作が辛く感じるようになります。

財布から小銭を取り出す工夫をしよう

症状が進むと、近所へ買い物に行くことにも苦痛を感じるようになります。財布から小銭を取り出すときに指先の細かな動作が必要になるため、レジでお金を払うたびにもどかしく感じてしまうのです。
このような場合、財布の選び方を工夫すると、多少小銭が取り出しやすくなります。小銭が取り出しやすいのは、小銭入れが大きく開くタイプのものです。「ちりとり型」という、小銭が全部見渡せる形の財布にすると、必要な硬貨を取り出しやすくなります。また、会計の時にお札を出し、小銭入れを広げてお店の人にお釣りを直接財布に入れてもらう方法もあります。この方法をとるときも、小銭入れが大きく開くタイプの財布がよいでしょう。

難しい動作には、道具を使って必要な力を減らそう

日常生活で不便に感じる動作は、動かしづらさを解消する道具を使うと不便さを解消することができます。たとえば、ペットボトルのふたを開けるときは、ふたを開けやすくする道具を取り付けると、握りやすくなるのでふたを開けやすくすることができます。また、瓶のふたにはストラップが役立ちます。ふたの周りを一周させてストラップを締め、しっかりと密着させます。オープナーの根元を持ってふたを開けると、ラクに開けることができます。
このように、生活の中で難しいと感じる動作がある時には、不便さを解消する道具を使えないかを考えてみましょう。

おわりに:道具をうまく使って、動かしづらさを解消しよう

全身性強皮症を発症すると手や指の皮膚が硬くなってしまうため、症状が進むと小銭を取り出したり、ふたを開けたりするといった日常よくある動作がしづらくなることがあります。動かさないままでいると硬直したり、筋力が落ちてしまう原因になるので、不便さを解消できる道具を活用して、少しでも手指を動かすようにしましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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