記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
航空性中耳炎は、飛行機や高層エレベーターなどに乗ったときの気圧の変化で起こる中耳炎です。
この記事では、航空性中耳炎の原因や症状、予防法について解説しています。
飛行機に乗る機会が多い人はぜひ参考にしてください。
航空性中耳炎(こうくうせいちゅうじえん)とは、飛行機に乗っているときの気圧変化が原因で発症する中耳炎です。
耳の中の圧力を調整する機能を持つ耳管(じかん)が、飛行機の上昇や下降による気圧変化についていけず、耳の中と外で圧力差が出ることによって発症するとされ、代表的な症状としては、耳が痛い、耳が詰まった感じがする、聞こえにくくなるなど、通常の中耳炎と同じ症状が出ます。
年齢・性別を問わず発症しますが、特に飛行機の下降時、さらに風邪やアレルギー性鼻炎を患って鼻詰まりがあったり、鼻をすする癖がある人に起こりやすいのが特徴です。
航空性中耳炎を発症した場合の治療法は、他の中耳炎同様、まずは炎症を抑える点耳薬や副腎皮質ステロイド薬など、投薬治療を試みるのが一般的です。
しかし、航空性中耳炎は一度発症すると癖になりやすく、発症を繰り返す傾向があります。
このため、航空性中耳炎を発症した人は、投薬治療とあわせて継続的な予防措置も必要です。
航空性中耳炎を予防するには、以下の方法がおすすめです。
航空性中耳炎を放置しておくと、鼓膜が破れて膿が噴出し、内耳に炎症が広がり、聴力が低下する恐れがあります。
飛行機に乗ってから航空性中耳炎を疑う症状が現れ、耳の違和感がまる1日以上続くようであれば、できるだけ早く耳鼻科医院を受診してください。処置が早ければ早いほど、早期の症状改善が期待できるといわれています。
万が一すぐに病院に行けない状態で耳の痛みが強くなった場合には、氷やアイスノンを使って耳を冷やすと、少し痛みが軽くなることがあります。
航空性中耳炎は、一般的な中耳炎と同様に耳の痛みや違和感を伴い、聴力の低下を引き起こす可能性がある病気です。しかし、予防法を実践するだけで発症は防ぐことができる場合もあります。
航空性中耳炎を疑うような症状や、飛行機に乗る前に鼻づまりなど心配な症状を見つけたら、早めに耳鼻科を受診しましょう。