記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/9 記事改定日: 2018/10/11
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
膵臓がんは、発見が遅れると手術が難しくなることがあり、生存率を大きく下げてしまうことがあります。治療では早期発見が重要であり、どれだけ早く初期症状に気づけるかが大切です。
この記事では、膵臓がんの症状と早期発見のコツをご紹介します。また、術後の体の変化と食事についても解説していきます。
膵臓がんは、食欲不振や体重の減少、腹痛などの症状が現れます。また膵頭部にがんができると、閉塞性黄疸や灰白色便などの症状が出ることがあります。発症の原因は解明されていませんが、喫煙や慢性膵炎、糖尿病、肥満などと関係があると考えられています。
膵臓がんは早期の段階では目立った自覚症状がほとんど現れないのが特徴です。しかし、アルコールを多く飲む人や脂肪分の多い食事を摂っている人、家族に膵臓がんを罹患したことのある人がいる場合、以下のような兆候が続くときは注意が必要です。
これらの兆候に当てはまる人が必ずしも膵臓がんとは限りませんが、膵臓がんは早期発見・早期治療が非常に重要な疾患です。膵臓がんの可能性が考えられる場合は、病院を受診して検査を受けることをおすすめします。
膵臓がんは、早期の段階ではほとんど自覚症状はありません。上腹部に違和感を覚える人はいるようですが、それを理由に病院を受診する人は少ないのが現状です。
しかし、徐々にがんが進行していくと大きくなったがんが神経を圧迫したり、膵炎を引き起こすことで腹痛や背部痛、悪心、発熱などの症状が現れるようになります。また、がんが胆管を閉塞すると黄疸が生じ、皮膚の黄染や白色便などの症状が見られることもあります。
さらに、膵臓は消化酵素を分泌する重要な臓器であるため、膵臓全体にがんが広がるような場合には、消化酵素が正常に分泌されず、消化不良を引き起こすことがあります。その結果、必要な栄養素を吸収することができなくなって下痢や体重減少などが生じます。また、膵臓は血糖値を下げる働きを持つインスリンを分泌するため、進行するとインスリン分泌能力が低下し、急激な高血糖を引き起こします。急激な糖尿病の悪化によって膵臓がんが発見されるケースも少なくありません。
さらに進行すると、膵臓に近い十二指腸や胃にもがんが浸潤し、消化管出血を引き起こして吐血や下血などといった症状が現れることもあります。
一般的な治療法として、外科的切除術、放射線治療や化学療法(抗がん薬)が行われています。根治という点では外科的切除術が適しているとされていますが、発見が遅れ進行してしまうと、切除できない場合があります。
全切除後の5年生存率は約1割とされ、手術のタイミングが早ければ早い程、助かる可能性は高くなります。
切除できない場合は放射線や抗がん剤による化学療法が行われます。
術後は、身体の状態にあわせた食事を摂ることになるため、医師と相談しながら食事内容を決めていく必要があります。
手術後は消化液の分泌低下で消化不良を起こしやすくなる場合があります。食事は、消化の良いものを少量ずつ食べるようにし、一度に食べると消化が追いつかなくなってしまうことがあるので、何度も分けて食べるようにしましょう。膵液が出なくなっている場合は脂肪を消化できなくなってしまうので、脂肪分の摂取を控えましょう。
その他、大豆や豆などから良質なタンパク質を摂るように努め、コーヒーや紅茶、アルコールを控える必要もあります。
手術後は、回復の程度や再発の有無を確認するため、定期的な検査を受けましょう。通院の頻度は個人差がありますが、手術後5年間は必要といわれています。
検査では、黄疸の有無や、血糖値やホルモンの状態、腫瘍マーカー検査などが行われます。また、必要に応じてX線(レントゲン)検査や超音波検査、CT検査などの画像検査を行います。
その他、食欲の状態や腹部の痛み、体調変化についての問診も行われるます。
膵臓がんは、治療のタイミングによって生存確率が変わってきます。定期検査などを利用し、早期発見に備えることが大切ですし、初期症状を見落とさないためにも「ちょっとした体の変化」にも注意する必要があります。
もし膵臓がんを発症して手術を受けた場合は、術後の食生活には注意しましょう。必ず医師に相談しながら食事内容を決めていき、必ず指示を守るようにしてください。
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