膵臓がんの原因とは!?発症を予防する方法はあるの?

2017/12/8 記事改定日: 2018/10/11
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

膵臓がんは初期症状が現れないことも多く、発見したときにはすでに手が施せない状態のことも少なくありません。発症を予防することはできるのでしょうか。
この記事では、膵臓がんの予防方法のヒントとして、発症の原因について解説していきます。また、治療法や膵臓がんが原因で起こる貧血のメカニズムについても触れていくので、基礎知識として役立ててください。

膵臓がんとは?

膵臓がんとは膵臓にできる悪性腫瘍のことで、多くは膵臓の中を網目状に広がっている膵管という部位にできます。膵臓は胃の後ろ側にある臓器で発症初期は症状があらわれにくく、さらに転移しやすいという特徴を持っているため発見が遅れがちになります。症状があらわれて受診した頃にはすでにがんが進行していたり転移をしていることも珍しくありません。

症状は腹部や背部の痛みで、特に強い痛みを訴える人が多くいます。腫瘍がおおきくなり胆汁の通り道である胆管の通りが悪くなると、黄疸が出はじめます。ほかには体重減少や食欲低下、膵臓から出るインスリンの分泌量低下による血糖異常などがあります。

膵臓がんは国内の死亡原因の上位に入っており、発症すると完治させることが難しい病気です。発症する男女比はやや男性の方が多いのですが、女性でも発症することがあります。また高齢になると発症しやすくなるため、近年の日本では高齢者が増えていることから、膵臓がんの発症者の数も多くなってきています。

膵臓がんの原因は?予防できる?

膵臓がんの発症要因として考えられているのは、生活習慣や膵臓の病気、遺伝的要因などです。

生活習慣は様々なものが関係していると考えられており、喫煙や肥満、過度のアルコール摂取はいずれも発症リスクを高めるものです。他に膵臓がん患者の中には、生活習慣病である糖尿病を患っている人も少なくありません。

その他に、慢性膵炎から膵臓がんを発症する人も多く、膵臓に起こる他の病気が引き金となり膵臓がんを引き起こしている可能性があります。

そして遺伝的要因としては、家族内に膵臓がん発症者がいると膵臓がんの発症率が上がることがわかっています。

遺伝的要因などに関しては対策が難しいですが、生活習慣であれば、自分自身で改善することで膵臓がんの発症率を下げる効果が期待できます。喫煙習慣があれば吸う本数を減らしたり禁煙すること、肥満であれば体重を落として適正体重に戻すこと、アルコールは飲み過ぎないようにするなどが予防法になります。

膵臓がんになると貧血が起こるのはなぜ?

膵臓がんは、早期の段階では自覚症状がないことがほとんどです。しかし、進行してがんが大きくなると貧血を引き起こすことがあります。
膵臓は消化酵素を分泌する臓器であるため、多くの範囲にがんが広がると、正常な酵素の分泌が行えず、重度な消化不良によって下痢や体重減少などを引き起こします。この結果、食物から摂った鉄分の吸収量も少なくなり、貧血を生じることがあるのです。また、がんが膵臓内だけでなく十二指腸や胃などにも浸潤した場合、消化管出血を引き起こして貧血が現れることもあります。この場合は、貧血症状以外にも吐血や下血、黒色便などといった症状も見らるようになります。

どんな治療が行われるの?

膵臓がんの治療は、手術を行うか行わないかでその後の予後が大きく変わっていきます。ただ、発見された時には病状が進行していることが多く、簡単には手術で腫瘍部位を取り除けないことが多いのですが、他の治療法などと併用して治療を行います。

その治療法のひとつが、化学療法です。化学療法では、抗がん剤などの薬を血管内に投与することで転移した部位の腫瘍まで治療効果が届くようにします。また、放射線療法もそのひとつです。放射線療法は腫瘍部位に放射線を当てることで腫瘍が大きくなることを防ぐ効果があります。手術では対応できない病状の場合には化学療法と放射線療法が第一選択肢になります。なお、手術を行う場合にも、化学療法や放射線療法を併用して手術で取りきれなかったがん細胞を小さくしたり、大きくなるのを抑制する治療を行います。

また、胆汁が溜まって黄疸が出るようになっている時には胆汁を身体の外に出すドレナージという治療を行います。内視鏡でチューブを留置して、そこから胆汁が体外に出されるようにする治療法です。根本的な治療ではありませんが、症状を緩和する効果があります。

おわりに:遺伝性のものは予防できないが、生活習慣の改善で予防できる場合がある

膵臓がんの発症には遺伝的な要因も関係してくるので100%予防できるわけではありませんが、生活習慣の改善である程度予防できるといわれています。
健康的な生活を送れるように日ごろの習慣を見直し、自分の体の変化に気づけるように心がけましょう。また、早期発見のためにも、定期検査を徹底するようにしてください。

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