記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/14 記事改定日: 2020/3/2
記事改定回数:2回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
休む暇がなく、朝起きられなくなるほどの疲労感や、立ちくらみなどに悩まされている場合には、副腎疲労が考えられます。こちらの記事では、副腎疲労の症状や原因、副腎ケアの対策について解説していきます。
左右の腎臓の上には、「副腎」という三角形の臓器があります。副腎皮質からはコルチゾール、アルドステロン、性ホルモンが合成・分泌されており、コルチゾールは抗ストレスホルモンとも称される生命の維持に必須のホルモンです。
仕事などでストレスが溜まり過ぎると、副腎の機能が低下し、コルチゾールが分泌されなくなることで慢性疲労やうつといった症状が現れるようになります。この状態を「副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)」といいます。
副腎疲労の主な症状は以下になります。
副腎疲労の主な原因は過剰なストレスです。人間がストレスを感じると、脳は副腎刺激ホルモンを分泌します。これを受けて副腎はコルチゾールを分泌をして、ストレスが緩和されていきます。
仕事や人間関係、家庭の問題などによって毎日多大なストレスを感じている人や昼も夜も働いている常にストレスがかかっている人は、副腎は休む間もなくコルチゾールを分泌せざるを得なくなり、やがて副腎自体が疲弊してしまいます。
また、副腎疲労の原因はストレスだけではありません。睡眠不足や栄養不足、極端な気温の変化なども原因になり得ます。とくに、副腎に必要なビタミンCやビタミンB、マグネシウムが不足すると、コルチゾールが十分に作られなくなることから、ストレスに弱くなり、様々な症状が出るようになるので注意しましょう。
副腎疲労は、次のような生活習慣などによって引き起こされます。
また、副腎疲労では次のような症状が見られます。
これらの生活習慣や症状に当てはまる項目が多い人は、副腎疲労を発症している可能性があります。副腎疲労は発熱などの目立った症状が現れにくいため、発見が遅れがちになりますが、放置すると体調不良が長引く原因になります。思い当たる人は、放置せずに一度病院で相談するようにしましょう。
コルチゾールなどの分泌低下の原因には、必要な栄養素が足りていないことが考えられます。そのため、副腎疲労の症状軽減には、食生活を改善し、食べ物からしっかりと栄養を摂ることが推奨されています。以下は、特に摂取したい栄養素と食品です。
一方で、グルテンを含む小麦や大麦、ライ麦、ガゼインを含む乳製品、カフェイン飲料、甘いお菓子などの摂り過ぎは避けた方が良いとされています。
副腎疲労を回復するには食事以外にも次のような対策をすることをおすすめします。
ストレスを溜め込みやすい生活をしている現代人にとって、副腎疲労は身近な病気です。副腎疲労が疑われる場合には、一度食生活を見直してみましょう。副腎疲労の診療・治療を行っている医療機関もあるので、症状が気になる場合には受診してください。