記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
AGAと呼ばれる男性型脱毛症やびまん性脱毛症など、ひとくちに薄毛と言ってもさまざまな症状があります。髪の毛が薄くなってきた場合、病院で治療すれば治る見込みはあるのでしょうか。
ひとくちに薄毛と言っても、原因や症状によってさまざまな種類があります。以下に、代表的な薄毛の種類を6つご紹介していきます。
AGAとも呼ばれ、ホルモンバランスや遺伝などの原因により男性に発症します。薄毛が発症する個所によって、生え際のサイドから進行するM字型、頭頂部から円形に進むO字型、生え際の真ん中から後頭部へ向かって進行していくU字型の3タイプがあります。
中年以降の女性に発症しやすいタイプで、男性型のように一部が薄毛になるのではなく、全体的に髪のボリュームが減り、髪が薄くなる症状が出ます。老化による細胞の衰えや精神的苦痛、無理なダイエットによる栄養不良で発症します。
60歳以上の人に見られる症状です。老化が原因の薄毛という点で、男性型脱毛症とは区別されます。
頭皮に溜まった皮脂やフケなどの老廃物が毛穴をふさぎ、これを栄養源とした細菌が起こす炎症によって発症する薄毛です。皮膚疾患の一種になります。
過剰に皮脂が分泌されることが原因で発症する症状です。毛穴がふさがるために毛根の発育が阻害されたり、細菌が繁殖して炎症を起こしたりして髪が抜け落ちた、薄毛を発症します。
ストレス、または自己免疫不全によって、性別・年齢を問わず突発的に起こる薄毛です。
ここからは、薄毛の中でも特に男性型脱毛症(AGA)の一般的な治療法として使われている「投薬治療」「植毛」「メソセラピー」「HARG療法」について解説します。
主に脱毛抑制効果のあるフィナステリドやデュタステリド、発毛効果が期待できるミノキシジルなどを内服、塗布するなどして治療します。
人工毛または自毛を頭皮に植え付けて治療する方法です。特に、自毛による植毛は即効性と安全性が高いと考えられています。
薄毛改善効果が期待できる薬効成分やビタミン、ミネラルなどの栄養素を直接注射で頭皮に注入する方法です。この治療法は、頭皮を傷つけるリスクが指摘されています。
比較的新しい治療法で、発毛・育毛を活性化させる効果があるとされる「成長因子(HARGカクテル)」成分を頭皮に注入するものです。
上記の4つの治療は、AGA専門病院、または皮膚科の病院などで受けることができます。
最後に、年齢・性別を問わず誰にでも発症する可能性のある円形脱毛症を解説します。
円形脱毛症の原因は人によって異なり、ストレスのほか、甲状腺疾患やアトピー性皮膚炎など、自己免疫疾患やアレルギー疾患の合併症として併発するケースもあります。
治療法としては、頭皮に人工的なかぶれを起こす局所免疫療法や、ステロイドや抗ヒスタミンなどを使った投薬治療などがあります。ただし、適切な治療法や治療にかかる期間は、個々の状態や経過年数によって異なります。
さまざまな原因で引き起こされる薄毛の症状ですが、近年では病院での治療法が確立されつつあります。薄毛は病院で治療すれば改善する可能性がありますので、まずは治療に対応してくれる病院を探し、早めに受診するようにしてください。