記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
薄毛治療に用いられる主な薬として、フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルがあります。これらの薬にはどのような効果があるのでしょうか。また、副作用の心配はないのでしょうか。最新の治療法「HARG(ハーグ)療法」とともに解説します。
薄毛治療に用いられる薬の代表格として、フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルの3種類があります。以下に、薄毛の投薬治療に使われるこれら3種類の薬の効果と副作用を解説します。
男性ホルモンであるテストステロンから薄毛の原因となるジヒドロテストステロン(DHT)を生成する5αリダクターゼという酵素を阻害することで、ジヒドロテストステロンの分泌を抑制する効果を期待できます。副作用として、性欲減退や勃起不全、乳房障害などがあります。胎児の生殖器に影響が出るという副作用が報告されています。また、未成年や女性の薄毛治療では、有効性と安全性が認められていない薬品です。
男性ホルモンであるテストステロンから薄毛の原因となるジヒドロテストステロン(DHT)を生成する5αリダクターゼという酵素を阻害することで、ジヒドロテストステロンの分泌を抑制する効果を期待できます。副作用として、性欲減退や勃起不全、乳房障害などがあります。胎児の生殖器に影響が出るという副作用が報告されています。また、未成年や女性の薄毛治療では、有効性と安全性が認められていない薬品です。
主に血行促進の効果がある薬です。髪の強さを維持したり、新しい髪を生やすための細胞を活性化させて発毛しやすくしたりすることで、薄毛治療の効果を高めます。副作用として、体毛が濃くなる、むくみが出るといったものがあります。また、ミノキシジルはもともと血圧を下げる薬として開発された関係から、血圧低下の副作用もみられます。
薄毛治療の方法のひとつに、側頭部や後頭部など、薄毛の症状が少ない部位から自分の髪の毛を採取し、薄毛部位の頭皮に植え付ける「自毛植毛」があります。この治療法のメリットは、自分の髪の毛を移植するので安全性が高く、うまく定着すればその後は薄毛の不安が消えるとともに、メンテナンスの必要もなくなるという点です。一方、デメリットとしては髪を採取・移植した部位の腫れやむくみ、痛み、かゆみ、しびれなどの違和感、移植部位の一時的な脱毛といった副作用が起こる可能性が挙げられます。
これらの副作用は、通常数日~数カ月ほどで回復しますが、自毛植毛に挑戦するかどうかは、メリットとデメリットをよく理解した上で決めることが大切です。
HARG(ハーグ)療法とは、ヒトの脂肪幹細胞から抽出した、150を超える成長因子を有したタンパク質「HARGカクテル」という薬剤を直接頭皮に注入する治療法です。最近誕生した比較的新しい治療法で、頭皮に直接、発毛に必要な栄養を与えるため、弱っている毛根にも効果を発揮することで注目されています。HARG療法の特徴として、患者の性別を問わず薬効を期待できること、他の薬で効果が出なくても毛根再生効果が期待できること、短期間で痛みなどの副作用が少なく行えることなどが挙げられます。
通院治療は半年~1年ほどで終了し、その後も継続的な発毛効果が期待できるとされています。
専門の病院に行けば、薄毛に効果的な治療を受けることが可能です。しかし、治療を受けるなら、副作用もきちんと理解しておきたいところです。医師に副作用を確認し、納得したうえで治療を進めてください。