記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/3/7 記事改定日: 2019/11/6
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
鼻の穴の入り口付近に湿疹が出て、かゆみや痛みを伴う場合、「鼻前庭湿疹」の可能性があります。
今回の記事では鼻前庭湿疹の治療法や原因について解説していきます。
鼻前庭湿疹(びぜんていしっしん)は、鼻の入り口周辺に出る湿疹のことです。鼻水が出たことによる刺激や、アレルギー反応によって、鼻の入り口の皮膚が炎症を起こします。
具体的な症状は、皮膚が赤みを帯びる、湿疹ができる、かゆみ、痛みなどです。
よく混同される病気に「鼻前庭炎」があります。鼻前庭炎は、鼻腔内のブドウ球菌が原因になります。鼻の中をいじったり、鼻毛を抜いたりする方に起こりやすい病気です。主な症状は、かゆみと痛みです。
鼻前庭湿疹の治療には、炎症を抑える成分や抗生物質が含まれた塗り薬が使用されるのが一般的です。多くは湿疹を触らないよう注意し、患部を清潔に保って塗り薬を使用されば数日で改善しますが、炎症がひどい場合は抗生物質の内服が必要になる場合もあります。
また、風邪やアレルギーなどによる鼻水が原因で鼻前庭湿疹が引き起こされている場合は、鼻水の原因となる病気の治療も必要です。鼻水が治まらない間は治療を続けても湿疹がよくならないこともありますので注意しましょう。
鼻前庭湿疹だけを治療しても、再発する可能性があります。これは、鼻前庭湿疹は鼻水や鼻炎で出る分泌物の刺激により発症するからです。
鼻前庭湿疹の治すには、鼻炎自体の治療も大切になってきます。
鼻水や鼻からの分泌液のおもな原因は副鼻腔やアレルギー性鼻炎です。
副鼻腔炎は風邪やインフルエンザから移行して黄色に近い鼻水が出ますし、アレルギー性鼻炎は、花粉やダニ、ハウスダストなどのアレルゲンによって水のような鼻水がたくさんでます。
どちらも薬で症状が抑えられますが、状態によっては手術が必要になることがあります。
専門医と相談しながら、自分の状態やライフスタイルにあう治療方法を選ぶようにしましょう。
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鼻前庭湿疹は薬で治せますが、原因となる鼻炎自体を根本的に治療しなければ何度も再発する可能性があります。繰り返さないためにも、まずは鼻炎をきちんと治すことを検討しましょう。
また、つい鼻を触ってしまうクセがある人は鼻前庭湿疹になりやすいです。普段からなるべく触れないように心がけてください。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。