記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/21 記事改定日: 2019/1/23
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
さまざまな原因により起こる副鼻腔炎ですが、その症状にはどのようなものがあるのでしょうか?
ここでは、副鼻腔炎の症状と緩和方法について解説していきます。
急性副鼻腔炎の場合には、膿の混じった鼻汁が見られ、慢性期には白い粘着性のある鼻汁が出ることが多いとされています。アレルギー性鼻炎の場合は透明でサラサラとした鼻汁が出る傾向があるので、受診の参考にしてください。
副鼻腔炎の鼻水はのどの奥に流れる場合があり、咽頭炎や気管支炎の原因となることがあります。逆に、アレルギー性鼻炎の鼻水は前に(鼻の穴から)流れることが多いといわれています。
鼻腔や副鼻腔粘膜の腫れ・ポリープなどにより、空気の通りが悪くなると鼻詰まりが起きやすくなります。また、鼻水が鼻腔に溜まった場合や、鼻中隔の歪曲、中甲介蜂巣などの骨の構造の異常などによっても鼻詰まりが起きます。また、アレルギー性鼻炎との合併による下甲介粘膜の膨張も原因の一つです。
匂いを感じる器官である嗅裂部の粘膜に腫れや炎症が長く続くと嗅覚障害が起こることがあります。また、鼻中隔の歪曲や中甲介蜂巣などの鼻腔形態異常などがあると、症状が悪化することがあります。
通常の蓄膿症は左右両方の上顎洞に炎症が起こりますが、虫歯による蓄膿症の場合はどちらか片方だけに炎症が起きる特徴があります。
副鼻腔炎のときのつらい鼻の症状は、鼻を温める、室内を加湿する、湯船にゆったり浸かる、などの対策で改善することが可能です。
副鼻腔炎では、副鼻腔内に膿や浸出液が溜まることで鼻水や鼻詰まりを引き起こします。それらの液体は粘性があり、排出されにくいのが特徴です。このため、鼻を温めたり、加湿したりすることで、副鼻腔内で固まりかけた液体をほぐし、排出を促す効果期待できるのです。
一方、耳鼻科では、鼻水の吸引や、鼻水を柔らかくして排出を促す吸入治療などが行われ、薬物療法では抗生物質や去痰薬などが使用されます。症状が改善しない場合は、悪化する前に早めに耳鼻科を受診するようにしましょう。
急性副鼻腔炎は、炎症が発生している場所により痛むところが異なります。
また、副鼻腔炎の特徴の一つとして、頬や目の周りの骨にある空洞部分を押すと、痛みが生じます。
一般的には、解熱鎮痛剤で痛みを緩和し、抗生物質を投与して炎症を抑える方法が取られます。数日後に薬の効果が現れると、頭痛が治まります。副鼻腔炎の根本的原因となっているウイルスや細菌、アレルギーなどを治療しない限り、頭痛の症状も続くので、症状がある場合には早急に耳鼻科で診察を受けましょう。
副鼻腔炎に伴う発熱は、微熱で治まるケースが大半です。しかし、炎症が目や脳にまで及んでいると高熱が出ることがあります。その状態を放置しておくと、硬膜外膿瘍や脳膿瘍などに至る場合があるので、早期治療が望まれます。また、風邪の治りかけに高熱が発生し、激しい頭痛を伴う場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
発熱したときには、頭部や脇の下を冷やして応急処置をしましょう。また、脱水症状を防ぐために水分補給をこまめに行いましょう。また、副鼻腔炎自体に感染力はありませんが、原因となる病原体(ウイルスや細菌)は周囲に感染する恐れがあるので、発熱した時には耳鼻科・耳鼻咽喉科で診てもらうようにしましょう。
副鼻腔炎はその原因となる病原体により、起こる症状や発生場所が異なります。初めは微熱などの軽い症状でも、炎症の広がりによって高熱が出ることもあります。
また、どのような症状の場合でも、副鼻腔炎を起こしている病原体を除去するまでは根本的解決にはならないので、早急に耳鼻科を受診して適切な治療を受けることが大切です。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。
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