腎盂腎炎の再発を繰り返してしまう原因とは!?予防法はある?

2018/4/20 記事改定日: 2018/10/3
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

脇腹の痛みや血尿などの症状を引き起こす「腎盂腎炎」は、再発率の高い病気といわれています。では、再発を防ぐ効果的な方法はないのでしょうか?
再発してしまう原因とあわせて解説していきます。

腎盂腎炎はどんな病気?

腎盂腎炎は、膀胱から細菌が逆流することで引き起こされる感染症です。発症すると、脇腹の痛みや発熱、頻尿、血尿、膿の混じった尿などが現れます。

女性は男性に比べて尿道が短いので細菌が膀胱内に侵入しやすく、また尿道が腟や肛門に近接しているために、腎盂腎炎の発症頻度が高いと言われています。また、尿路結石などで尿流が低下している人やがんなど免疫力が低下する持病のある人、免疫抑制剤を服薬中の人なども、細菌の感染リスクが上がるために腎盂腎炎にかかりやすいです。

腎盂腎炎を繰り返し再発してしまう原因は?

腎盂腎炎は、神経因性膀胱や前立腺肥大症、尿路にできたがんなどによって排尿障害がある場合や、膀胱カテーテル留置、糖尿病やステロイド・抗がん剤内服など免疫力が低下しやすい状態の人が再発を繰り返すことがあります。

また、尿路結石も腎盂腎炎の原因になりますが、尿路結石自体が再発を繰り返しやすいため、腎盂腎炎を繰り返す原因の一つです。
さらに、小児で腎盂腎炎を繰り返す場合は、尿路奇形の可能性もあります

腎盂腎炎は再発を繰り返すと、耐性菌などができやすく炎症が慢性化して腎不全に移行することもありますので注意が必要です。
腎盂腎炎を繰り返す人は、適切な検査・治療を受け、原因となる病気の治療も同時に続けるようにしましょう。また、発熱や尿の異常などが見られた場合には、放置せずに速やかに病院を受診するようにしましょう。

腎盂腎炎の長期化、慢性化で起こる合併症とは

腎盂腎炎は抗生物質の投与や、尿路結石などの原因疾患の治療によって改善させていきますが、適切な治療が行われなかった場合、以下の合併症が引き起こされることがあります。

腎機能障害
何度も腎盂腎炎を繰り返すと腎機能が低下し、腎不全に陥るケースがあります。
敗血症
腎臓にはたくさんの血管が存在します。このため、重症の腎盂腎炎に陥ると血液に細菌が侵入し、敗血症を起こす恐れがあります。

腎盂腎炎の再発はどうやって予防すれば良い?

先述の通り、腎盂腎炎は尿路結石など他の病気が原因で起こることがあり、その場合は原因疾患を治療しない限り、再発を繰り返す傾向にあります。そして、その原因疾患としては「膀胱炎」も挙げられます。

つまり、腎盂腎炎の再発を予防するには、膀胱炎をはじめとした原因疾患を治すことが重要です。膀胱炎の方の場合は、毎日2Lは水分補給をする、下半身を温める、排尿を我慢しない、排尿時に力まない、香辛料などの刺激物の摂取を控える、排泄後は前から後ろに向かって拭く、生理ナプキンなどはこまめに交換する、処方薬は自己判断で中断せず最後まで服薬する、といったことを心がけるようにしてください。

おわりに:腎盂腎炎の原因疾患を治療することが、一番の再発防止法!

腎盂腎炎は、尿路結石、膀胱炎など特定の疾患が原因で発症するケースが多いです。再発を防ぐためには対症療法だけでなく、これら原因疾患の治療をしっかり行うことが大切です。
医師の指示に従い、根気よく治療を続けていきましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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