ボトックス®注射で肩こりの辛さは本当に解消するの?

2018/2/20 記事改定日: 2019/12/26
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

現代は仕事でもプライベートでもPCやスマホを使うので、昔の人よりも肩こりになりやすい環境です。「整体やマッサージに定期的に通っているけれど、すぐにぶり返してしまう」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、慢性的な肩こり治療に使われる「ボトックス®注射」について解説していきます。

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ボトックス®注射で肩こりが改善するのはなぜ?

肩こりになると、首から背中の上部や肩や上腕の筋肉が強く緊張して固くなり、鈍い痛みやこわばり、圧迫感、違和感、不快感が生じて辛くなります。
ボトックス®注射には筋肉と神経の伝達を抑える作用があり、その作用で筋肉の緊張を緩和して肩こりの諸症状を和らげます。

ボトックス®注射の効果の出方には個人差がありますが、一般的には5回程度で症状が緩和されるといわれています。

ボトックス®注射のボツリヌス毒素(ボツリヌストキシン)に危険はないの?

ボトックス®注射など医療で使用されるボツリヌストキシンは、神経と神経の間の情報伝達に必要なアセチルコリンという物質の放出を抑制することで筋肉の運動を抑える働きを持つ成分です。

ボツリヌストキシンは、ボツリヌス菌が作り出すたんぱく質のため、体内に注射することに抵抗を感じる方も多いでしょう。
しかし、ボツリヌス菌そのものを使用するわけではなく、治療に有効な成分のみを抽出したもののため、ボツリヌス菌に感染する危険はないとされています。

現在、ボツリヌストキシンは様々な病気の治療に用いられており、眼瞼けいれんや顔面けいれん、斜頸などに対しては保険適応となっています。
危険性は少ないとされていますが、注射した直後は注射部位が赤く腫れたり、かゆみが出たりすることもあります。また、効果が強すぎると一時的に注射部位周囲の筋力が落ちる、動かしにくくなるといった症状が現れることも報告されています。

おわりに:ボトックス®注射はボツリヌストキシンの作用で肩こりを緩和する

ボトックス®注射は、ボツリヌストキシンの作用で筋肉の緊張を和らげ、肩こりのつらい症状を緩和していきます。マッサージや整体などでほぐしても良くならないしつこい肩こりも緩和できる可能性があります。
肩こりは病気などが原因のこともあるので、きちんと原因をつきとめてくれる病院に相談し、メリットとデメリットを十分理解したうえであれば、試してみる価値はあるでしょう。

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