PMDD(月経前不快気分障害)はどんな病気? PMSとの違いは?

2018/2/27

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

生理前にイライラや激しい抑うつ症状が見られる場合、「PMDD(月経前不快気分障害)」の可能性があります。今回の記事ではPMDDの症状や治療法、PMSとの違いなどを解説していきます。

PMDD(月経前不快気分障害)とは?

PMDD(月経前不快気分障害)とは、月経が始まる1-2週間前くらいから、始まった直後くらいまでの期間に発生する日常生活に支障をきたすほどの気分障害のことです。具体的な症状としては、気分の落ち込み、意欲の低下、情緒不安定、集中力の低下、睡眠障害などがあげられます。気分障害の中でも拒絶や批判に対する反応が強くなったり、理由のない強い焦燥感があったり、強い絶望感を感じたりするのがPMDDの特徴です。

これまでは、月経前に気分が落ち込んだり、イライラしたりする症状が現れた場合はPMS(月経前症候群)と診断されていました。PMDDとPMSの違いとしては、PMSは精神的な症状だけではなく、腹痛や腰痛、めまい、むくみなどの身体的な症状を伴うのに対し、PMDDは主に精神症状が強く現れることです。PMSとPMDDの厳密な区別は難しい場合もありますが、精神障害が精神科での治療が必要なレベルでの重症度の場合は、PMDDと判断されます。

PMDDは何が原因で起こるの?

PMDDの原因はまだ解明されていません。ただ、いまのところは環境的な要因や女性ホルモンの変動など、さまざまな要因によるものと推測されています。

月経前には、エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンが大量に分泌されることで、セロトニンやノルアドレナリンなどの脳内神経伝達物質を変化させることが分かっています。これが原因で、抑うつや不安症などの精神障害が引き起こされると考えられています。

PMDDの治療法について

PMDDは、産婦人科だけでなく精神科や心療内科で治療をすることになります。治療法は、薬物療法と、認知行動療法やカウンセリングの2種類に分けられます。

薬物療法においては、低用量ピルや超低用量ピルが有効な場合があります。ピルを服用しただけで症状が改善しない場合には、漢方や抗うつ薬、安定剤を使用する場合もあります。特に、抑うつやイライラの症状が強い場合は抗うつ薬が有効な場合が多いです。

ただし、薬物療法は出ている症状を緩和することにフォーカスしており、本人の認知のゆがみや考え方のクセを改善するものではありません。認知のゆがみや考え方のクセを改善するには、認知行動療法が有効です。認知がゆがんでいると、日常生活のちょっとしたことに対して過剰に反応してしまったりします。認知行動療法では、認知のゆがみを直していくトレーニングをしていきます。

おわりに:PMDDには専門家の治療が必要

PMDDは、月経前に日常生活に支障をきたすほどの精神障害が起きてしまう病気です。原因はまだ解明されていませんが、月経前の女性ホルモンの変化が影響していると考えられています。治療には専門家のサポートが必要ですので、一人で抱え込まず病院を受診するようにしましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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