PMDD(月経前不快気分障害)の症状の特徴は?PMSとは何が違うの?

2018/2/27 記事改定日: 2019/6/12
記事改定回数:1回

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

生理前にイライラや激しい抑うつ症状が見られる場合、「PMDD(月経前不快気分障害)」の可能性があります。今回の記事ではPMDDの症状や治療法、PMSとの違いなどを解説していきます。

PMDD(月経前不快気分障害)とは?

PMDD(月経前不快気分障害)とは、月経が始まる1-2週間前くらいから、始まった直後くらいまでの期間に発生する日常生活に支障をきたすほどの気分障害のことです。

具体的な症状としては

  • 気分の落ち込み
  • 意欲の低下
  • 情緒不安定
  • 集中力の低下
  • 睡眠障害

などがあります。

気分障害の中でも拒絶や批判に対する反応が強くなったり、理由のない強い焦燥感があったり、強い絶望感を感じたりするのがPMDDの特徴です。
これまでは、月経前に気分が落ち込んだり、イライラしたりする症状が現れた場合はPMS(月経前症候群)と診断されていました。

PMDDとPMSの違い

PMDDとPMSの違いとしては、PMSは精神的な症状だけではなく、腹痛や腰痛、めまい、むくみなどの身体的な症状を伴うのに対し、PMDDは主に精神症状が強く現れることです。PMSとPMDDの厳密な区別は難しい場合もありますが、精神障害が精神科での治療が必要なレベルでの重症度の場合は、PMDDと判断されます。

こんな症状や心の変化はPMDDかも?

PMDDでは月経の一週間ほど前から次のような症状が現れます。当てはまる項目が多い場合は、PMDDを発症している可能性がありますので、産婦人科や心療内科などの専門の医療機関を受診して診察を受けてみましょう。

  • 突然悲しくなる、涙もろくなるなど情緒が不安定になる
  • わけもなくイライラすることが増える
  • 気分が激しく落ち込む
  • 集中力や注意力が低下する
  • 倦怠感や疲労感が強くなる
  • 不眠や過眠になる
  • 食欲がなくなったり、過剰になったりする
  • 何事にも気力がなく、日中の活動に支障を来たす
  • 体重増加や関節痛、乳房痛などの身体症状が強くなる

PMDDは何が原因で起こるの?

PMDDの原因はまだ解明されていません。ただ、いまのところは環境的な要因や女性ホルモンの変動など、さまざまな要因によるものと推測されています。

月経前には、エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンが大量に分泌されることで、セロトニンやノルアドレナリンなどの脳内神経伝達物質を変化させることが分かっていますが、これが原因で抑うつや不安症などの精神障害が引き起こされると考えられています。

PMDDの治療法について

PMDDは、産婦人科だけでなく精神科や心療内科で治療をすることになります。治療法は、薬物療法と、認知行動療法やカウンセリングの2種類に分けられます。

薬物療法

薬物療法においては、低用量ピルや超低用量ピルが有効な場合があります。ピルを服用しただけで症状が改善しない場合には、漢方や抗うつ薬、安定剤を使用する場合もあります。特に、抑うつやイライラの症状が強い場合は抗うつ薬が有効な場合が多いです。

認知行動療法

認知行動療法は精神療法の一種で、医師や心理士などとカウンセリングを重ねることで、自分が抱えている誤った感情や感覚を正すよう導く治療です。
治療の効果には個人差がありますが、PMDDやPMSの諸症状に対する恐怖によって引き起こされる様々な症状を改善していく効果が期待されています。

おわりに:PMDDには専門家の治療が必要

PMDDは、月経前に日常生活に支障をきたすほどの精神障害が起きてしまう病気です。原因はまだ解明されていませんが、月経前の女性ホルモンの変化が影響していると考えられています。治療には専門家のサポートが必要ですので、一人で抱え込まず病院を受診するようにしましょう。

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