記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/28
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ホルモンの一種「デヒドロエピアンドロステロン」をご存知ですか?あまり聞き覚えのない名前かもしれませんが、心身の若返りのために重要な役割を担っているホルモンと考えられています。詳しい効果などについて、以降でご紹介します。
デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)はおもに副腎から分泌されるステロイドというホルモンの一種で、男性・女性ホルモンの原料となるものです。幸福感の高揚、コレステロール値の減少、体脂肪の減少、アルツハイマー病の進行防止など、様々な作用があるとされています。
一方、上記の効果・効能の副作用として、男女ともに異性化、前立腺癌、乳癌などのホルモン感受性腫瘍を増殖させる可能性があるとも言われます。
なお、上記で紹介したデヒドロエピアンドロステロンの効果・副作用のいずれにも、まだ医学的な根拠は示されていません。
デヒドロエピアンドロステロンには、以下のような働きも期待されています。
・免疫力の強化
・筋肉の強化、維持
・抗炎症、腫瘍予防
・インスリンの働きの補助、糖尿病予防
・動脈硬化の予防
・脂質異常症の予防
・ストレスの緩和
・アルツハイマー病の予防、改善
・不妊症改善、性的欲求の回復 など
また、上記のような働きや効果から、デヒドロエピアンドロステロンは、結果的に体を健康で若々しい状態に保つ働きのあるホルモンとしても、その作用が期待されています。
身体を健康に保ち、スムーズに動かすための情報伝達を司るホルモンの分泌量が減少すると、肥満や疲れなど健康上の不調や老化現象が現れやすくなります。具体例としては、メンタル面では意欲、性欲、精力などの低下、フィジカル面では筋力、骨量、性欲の低下などの症状が挙げられます。
特に、分泌が減ることで健康上の不調や老化現象を引き起こしやすいとされるホルモンには、以下の5種類があります。
・病気を予防し、骨を強化してくれる女性ホルモン「エストロゲン」
・筋肉を強化し、記憶力、意欲、精力を司る男性ホルモン「テストステロン」
・深い眠りを誘い、維持してくれる「メラトニン」
・傷ついた細胞組織を修復し、若々しさを保ってくれる「成長ホルモン」
・免疫力を高める「デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)」
若々しく健康的な身体を保つのに役立つデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)は、日頃の生活習慣を見直すことで、分泌が促進されると言われています。
夜は遅くとも11時には就寝して十分な睡眠をとる、軽い有酸素運動や筋トレを取り入れる、深呼吸をする、バランスの良い食事をよく噛んで食べるなど、基本的な生活習慣を見直すだけでも、体調は変わってくるようです。すぐにすべてを改善するのは難しくても、できるところから挑戦してみてください。
まだ科学的根拠がないとはいえ、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)には、身体を若々しく健康な状態に保ってくれる様々な働きが期待されています。アンチエイジングや健康のために取り入れたい人は、分泌を促せるよう、生活習慣を見直してみましょう。