シナモンにはどんな効果がある?摂りすぎは体によくないの?

2018/4/13 記事改定日: 2019/9/2
記事改定回数:2回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

お菓子などで使われる「シナモン」には、実はさまざまな健康効果があると言われています。今回の記事では、シナモンの摂取で得られる健康効果と、摂取量の注意点などについて解説します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

シナモンの基礎知識

シナモンはクスノキ科に属している樹木です。幹や枝の樹皮を剥ぎ取り、表皮の下にある層を取り除き乾燥させたものが、一般に使用されているシナモンです。

シナモンというと、お菓子や紅茶に使われている香辛料というイメージがあるかもしれません。ですが、古くから漢方薬としても使われていました。シナモンには、シンナムアルデヒドと呼ばれる成分が含まれており、消化を促進させる作用があると言われています。また、タンニンという成分も含まれており、こちらは傷の止血や鎮静効果があると言われています。

シナモンにはどんな効果があるの?

シナモンは古くから薬としても使用されており、主に5つの効果が期待されています。

胃や腸に対する効果
腹痛や下痢の症状緩和に効果があると言われています。
血流の改善効果
血行を改善して、いろいろな臓器の機能を高める作用があると言われています。血流が改善すると、免疫力がアップしたり、疲れにくくなったり、細胞の代謝がよくなるといった効果が期待できます。
むくみを予防する効果
シナモンには老廃物の排出を促す効果があると言われています。代謝が悪くなり、老廃物が体内に溜まるとむくみの原因になりますが、シナモンによって発汗が促されることでむくみの予防効果が期待できます。
消化を促進する効果
シナモンの香りの元である桂皮アルデヒドには、嗅覚を刺激し胃液の分泌が促進することで消化を促進する作用が期待できます。
糖尿病の予防や症状を改善する効果
シナモンを投与することで血糖をコントロールする働きが改善したり、糖質を代謝する働きが改善したという報告がされています。

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過剰摂取による副作用は起きるの?

シナモンの香りの成分の中にクマリンという物質があります。クマリンには抗酸化作用もあり、一概に悪い物質とは言えないのですが、クマリンを過剰摂取すると肝臓に負担がかかり、肝障害などの副作用が発症する可能性があることが分かってきました。

一般的な食生活を送る中で、通常の料理に使われるシナモンの量であれば副作用の心配いりません。しかし、サプリメントなどは、成分を濃縮しているために過剰摂取につながる可能性があるので注意が必要です。

なお、シナモンには、セイロンシナモンとカシアの2種類があります。日本で主に使われているのはカシアで、カシアの方がクマリンを多く含んでいます

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おわりに:シナモンはさまざまな効果が期待できる。ただし、過剰摂取には注意を

  • シナモンは、下痢や腹痛の症状緩和や血行促進、むくみ予防など、さまざまな効果が期待できる
  • しかし、過剰摂取すると、肝障害など副作用が発症する可能性がある

シナモンの成分をサプリメントで摂取する際は、摂りすぎに気をつけましょう。

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