記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
片頭痛はこめかみ部分の動脈や脳の血管が拡張して血流が増すことで、その周辺の神経が刺激されて起こる頭痛のことです。
片頭痛の症状にはどのような特徴があるのかお伝えしていきますので、適切な治療が受けられるように役立ててください。
片頭痛は頭の片側にズキズキと脈打つような痛みがあらわれるのが特徴です。
また、圧倒的に女性の発症率が高いという特徴もあります。
片頭痛が週1回のペースで起こる方もいれば、年に数回と少ない方もいるなど、発症の程度は個人によって異なります。
中には初潮の始まる10代から片頭痛を発症し、その後は40代くらいまで痛みと付き合ってきたという方もいます。
頭の片側にズキズキと脈打つような痛みがあらわれるのが特徴です。体を動かしたり、音や光に過敏に反応して痛みが激しくなることがあります。
また、痛みは頭の片側に起こることが多いですが、頭の両側や後頭部が痛くなったり、吐き気や嘔吐などの症状が同時にあらわれることもあります。
個人差はありますが、片頭痛の痛みは発症から数時間で治まることもあれば3日間ほど続く場合もあるようで、痛みによって仕事や家事などに支障をきたすことも少なくありません。
閃輝暗点(せんきあんてん)は片頭痛の前兆としてみられる目の症状です。
目にあらわれる症状ですが、目そのものの病気ではなく脳の中で起こった血管の収縮が原因で発生することがわかっています。
具体的には、
などの視界の変化があらわれます(※症状には個人差があります)。
閃輝暗点はストレスや過労、飲酒、寝不足(過眠も)、女性であれば月経、チョコレートなどカフェインを含むの食べ物の食べ過ぎたとき、緊張状態からリラックス状態になったことなどが引き金となって起こることがあります。
放置せずに、神経内科や頭痛外来で早めに医師の診察を受けましょう。
片頭痛は、市販の鎮痛剤などではよくならないことがほとんどです。
自己判断で市販薬を服用し、良くならないからと言って規定より多くの量や、別の種類の鎮痛薬を服用すると「薬物乱用頭痛」を引き起こしてかえって症状がひどくなることがあります。
片頭痛が疑われる場合は、専門の医療機関を受診して適切な検査を受け、医師の指導のもと処方される治療薬を内服しながら治療を進めるようにしましょう。
片頭痛と他の原因の頭痛を見分けるのは難しいですが、以下のような症状や生活習慣がある人は片頭痛の可能性があります。当てはまる項目が多い人は、一度医師に相談してみましょう。
頭痛と同時に発熱がみられる場合には「風邪」または「髄膜炎」を発症している可能性があります。髄膜炎は髄膜(脳と脊髄を覆っている膜)がウイルス又は細菌に感染して炎症を起こす病気です。
頭痛や発熱、光を嫌がる、会話にまとまりがないといった症状があらわれるのが特徴で、こうした症状が出る前に副鼻腔炎や中耳炎などの感染症にかかっていた場合はさらに髄膜炎である可能性が高くなります。
脳機能に重大な障害をもたらすことがあるだけでなく最悪の場合死に至る病気なので、髄膜炎の兆候がみられたらできるだけ早く病院で診察を受けるようにしてください。
片頭痛そのものは珍しい病気ではありませんが、症状が辛い場合や頭の痛みと共に発熱を伴う場合はできるだけはやく病院で診察を受けたほうが良いでしょう。
特に片頭痛と同時に発熱がみられる場合は、風邪ではない重篤な病気のサインの可能性があるので注意が必要です。