記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/10 記事改定日: 2018/10/25
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
子供がインフルエンザにかかってしまった場合、解熱から何日後であれば、登校・登園しても構わないのでしょうか?出席停止期間の目安や、インフルエンザでの出席停止は欠席扱いになってしまうのかなどについて、詳しく解説します。
子供がインフルエンザを発症した場合、感染拡大と流行を防ぐために設けられている「出席停止期間」を守らなければなりません。出席停止期間の日数の数え方・条件は、子供の年齢によって「幼稚園・保育園まで」と「小学校以上」で、以下のように異なります。
インフルエンザを発症した幼稚園児、または保育園児は、以下の条件を満たすまでは出席停止となり、登園してはいけない決まりになっています。
インフルエンザを発症した小学校以上学生は、以下の条件を満たすまでは出席停止となり、登校してはいけない決まりになっています。
いずれの場合も、発症から7〜10日間を目安に出席停止になると理解しておきましょう。
子供がインフルエンザから回復して幼稚園・保育園や小学校に復帰しようとすると、園や学校側から「登園・登校許可証」の提出を求められることがあります。これは、医療機関が「この児童は出席停止期間を守って回復したので、もう園や学校に行ってもいいですよ」という証明を表す書類です。
原則的には、インフルエンザの検査・診断をくだした医療機関で発行してもらうものですが、法律上義務付けられているものではありません。園や学校の法人によっては特に必要ないことも多いので、子供を復帰させる前に園・学校に直接確認して、必要ならかかりつけの医療機関に相談・依頼しましょう。
インフルエンザは、学校保健安全法や関係法令によって「学校で予防すべき感染症」に指定されているため、インフルエンザによる出席停止は欠席扱いにはなりません。これは、密室に集団で過ごすことの多い児童のなかで危険な感染症が蔓延しないよう、健康上の安全を考えて厚生労働省などが設定している制度です。学校以外に、幼稚園、保育園でも共通で、同様の対策がとられています。
このように、出席停止は児童の健康上の安全を守るために行われているものです。学校の好きな子や、行事ごとのときにインフルエンザにかかると子供と登園・登校させてあげたくなりますが、このルールを守らないと一気に児童間で感染が拡大します。
自分の子供と、一緒に集団生活をしている地域の子供を守るためにも、発症時期をごまかしたり、出席停止期間中の無理な登園・登校は、絶対にさせないでください。
発症後と解熱後の日数的な条件を満たしていて、ある程度症状がおさまっていても、まだ何日かはウイルスが体内にのこっているといわれています。このため、出席停止期間終了の条件を満たしていても、咳やくしゃみ、鼻水などの諸症状がのこっている場合は、感染拡大防止のために登園・登校を見合わせた方が良いでしょう。
また、インフルエンザ発症後の長引く咳には、他の病気が潜んでいるかもしれません。インフルエンザによる咳は2週間程度続くことがありますが、それ以上続くようなら肺炎や気管支炎など、呼吸器官に別の感染症を起こしている可能性が高いでしょう。あまり長く咳が続くようなら、インフルエンザからの経緯も含めて、医師に相談してください。
今まで説明してきたように、インフルエンザに感染した場合、周囲への感染拡大を防止するため、学校保健安全法に基づいて一定期間出席を停止する必要があります。
出席停止期間中でも解熱し、体調も回復してきたら外出したくなることもあるでしょう。しかし、出席停止と定められている期間は、発熱や体調不良がなくても唾液などにインフルエンザウイルスが含まれており、他者へ感染を広げる可能性があります。基本的には外出を控えるようにしましょう。
また、通院などでどうしても外出しなければならない場合は、マスクを着用して人ごみに出ない、通勤ラッシュ時間帯を避けるなどの配慮をするようにしましょう。
インフルエンザを発症した場合、大学生であっても学校保健安全法に基づいて出席停止とされる必要があります。
しかし、出席停止期間が公休扱いとなるのかについては大学によって異なりますので、「欠席の扱い」をしっかり把握しておくようにしましょう。
また、試験期間中の出席停止については追試験の実施があるのかについても把握しておくと安心ですね。
子供がインフルエンザにかかった場合、患者本人の速い回復と負担軽減、感染拡大の防止のためにも、出席停止期間は守るべき必要な制度です。正しい出席停止期間の数え方を知らず、発症時期をごまかすなどして子供を登園・登校させた場合、周囲に多大な迷惑をかけることになります。インフルエンザを発症したら、発症した日から7~10日を目安に、症状を見て医師に相談しつつ、きちんと出席停止期間を守ってくださいね。
この記事の続きはこちら