自閉症とはどんな発達障害? 原因や症状の特徴は?

2018/3/29 記事改定日: 2019/2/17
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三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

自閉症とは発達障害のひとつであり、コミュニケーション能力や言葉の発達などの遅れがみられ、極端な「こだわり」などの特徴が現れます。
この記事では、自閉症の原因や症状、治療のうえでの注意点について解説していきます。自閉症の症状には個人差があるため適切な対処法も違ってきます。この記事を参考に正しい知識を身につけて、治療やケアに役立ててください。

自閉症と自閉症スペクトラム障害

自閉症とは、正常な社会的およびコミュニケーション能力の発達に影響を及ぼす脳障害です。 自閉症を患っている人は、早い時期から、他の人とコミュニケーションや交流をするのに問題があります。

自閉症スペクトラム障害とは、発達障害の一種であり、自閉症やアスペルガー症候群などの自閉障害がある病気の総称です。

かつて自閉症スペクトラム障害に含まれる病気はそれぞれ別のものと考えられてきましたが、こららの病気は年齢によって環境が変化することで症状の現れ方が異なり、例えば幼少時に自閉症と診断された人が大人になってアスペルガー症候群と新たな診断を下されることが多くありました。

そのため、2013年にアメリカ精神医学会はこれらの自閉障害の統合して自閉症スペクトラム障害と位置付けたのです。

自閉症の兆候と重症度

自閉症の兆候は、人によって異なります。また兆候の程度も人によって様々です。

症状の重さやIQ(知能)テストの結果に応じて「低機能自閉症」または「高機能自閉症」に分類され、 高機能自閉症は症状がより軽度の自閉症を示し、低機能自閉症は症状がより重度の自閉症を示します。

自閉症の精神遅延(知的障害)

自閉症の子供たちの多くに精神遅滞がみられることは確かですが、全ての自閉症の子供がそうだというわけではなありません。非常にまれにではありますが、複雑な数学的問題を解くなど、優れた能力を持っている自閉症児もいます。

また、赤ちゃんの時には問題なさそうに見えていた子供でも、後に自閉症を発症するケースがあることも理解しておきましょう。原因はわかっていませんが、自閉症の子供の約20%は、最初の1〜2年間は正常に発達しているとされ、 その後に話す能力などの退行や精神遅延が現れることがあると考えられています。

自閉症の原因は?

自閉症は生まれつきの病気であり、現状では明確な発症メカニズムは解明されていません。しかし、様々な研究によって先天的な脳機能の偏りが大きく関与していると考えられており、高齢出産や低体重出生、妊娠中の母体喫煙などの環境的な要因が絡み合って発症すると考えられています。
その他にも、多産の母体から生まれることや、妊娠中の感染症などが原因となることも指摘されています。

自閉症の症状の3つの特徴

社会性と対人関係の障害

自閉症の人は、他者と良好な対人関係を築くのが著しく苦手です。自閉症の人は、その場の空気を読んだり、他者の気持ちを理解する能力が低いため、その場に則さない行動や発言を繰り返す傾向があります。そのため、周囲の人から距離を置かれがちです。

また、他者と目を合わせて会話をすることができず、無理に目を合わせようとするとヒステリーやパニックを起こすこともあります。

コミュニケーション能力や言語発達の遅れ

自閉症の人は、言葉の発達が遅く、幼少時に大人の会話をそのままオウム返しにするという特徴があります。意味のない会話ができないため、衝動に従って一方的に「今」自分が考えていることや思っていることを話し続けるという特徴がみられることもあります。

また、成長しても言葉をそのままの通りに理解して、冗談や皮肉などを捉える能力が低く、他者とのコミュニケーションがうまくいきません。自分の気持ちをうまく伝えることができず、思い通りにならないと暴力的な行動に出たりして周囲との軋轢を生じやすくなります。

特殊なこだわり(行動の偏りや興味の偏りなど)

自閉症の人は興味や関心が、極端に偏っており、1つのものに執着する傾向があります。幼少期には決まったおもちゃでしか遊ばず、そのおもちゃがないと暴れたり奇声を上げたりすることが多いといわれています。学童期以降では、集団生活の中で興味のないことに対して意欲がなく、怠け者とレッテルを張られやすくなってしまいます。

自閉症の治療のタイミングは?

自閉症は診断された段階でなるべく早めに治療を開始することが必要です。
多くは三歳児健診などで指摘され、診断につながりますので小児の段階から治療することが勧められています。

自閉症の根本的な治療は確立していませんが、カウンセリングや日常生活の訓練を続けることで自閉症による集団生活の困難さや生きづらさを軽減することができます。また、同時に両親や周囲の人に対してもカウンセリングなどを行いながら自閉症児の療育環境を整えることも大切と考えられています。

その他、自閉症による睡眠障害や抑うつ状態などの症状が目立つ場合にはそれぞれの症状に合わせた薬物療法や心理療法が行われることもあります。
自閉症の治療は長期に渡って行う必要がありますので、主治医とよくコミュニケーションを取って自分に合った治療法を見つけていくようにしましょう。

おわりに:自閉症は不明な点も多いが対処法はある。医師と相談しながら根気よくケアしてあげよう

自閉症(自閉症スペクトラム障害)の原因は不明であり、完治できる治療法も確立されていません。ただ、暴力的な行為や不眠などを抑えることは可能であり、支援団体や特別支援学級などを利用しながら、子供や家族にあったケアを選択することができます。
担当医と相談しながら自閉症の正しい知識を身につけて、自分達の環境にあった治療法やケア方法を選べるようにしてください。

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