記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/5/30
記事監修医師
前田 裕斗 先生
子宮内膜症を発症したら、子供を授かるのは難しいのかな・・・と不安に思うかもしれません。この記事では、子宮内膜症の人が妊娠するのは本当に難しいのかや、子宮内膜症の場合に行われる不妊治療について解説します。
子宮内膜症の方が妊娠できるかどうかは、発症部位や進行の程度によって異なるため、一概には言えません。子宮内膜症を発症しているから絶対に妊娠できないわけではありませんが、子宮内膜症を発症していない女性よりも妊娠する確率は低いと言われています。
子宮内膜症の方が不妊治療する方法として、以下の4つがあります。
特に治療をせず、排卵の頃を見計らって性行為をして自然妊娠を待つ方法です。
卵巣にできた囊胞(チョコレート囊胞)や子宮などに癒着した部分を取り除くことで、妊娠を期待する治療法です。
待機療法で妊娠しない場合、不妊期間や夫婦の年齢、内膜症の進行度合いや治療歴などから、手術と体外受精のどちらを先行して行うのが望ましいかを検討します。体外受精を先行して妊娠した場合、妊娠中は、子宮内膜症については経過観察となります。また、腹腔鏡手術後になかなか自然妊娠しない場合は、内膜症が再発する前に体外受精を行うこともあります。
子宮内膜症だから不妊になる、という訳ではありません。ただ、因果関係ははっきりしないものの、不妊を訴える方の約半数近くに子宮内膜症がみられ、子宮内膜症の方の2割から3割の方に不妊の悩みがあることがわかっています。原因はまだはっきりしていませんが、卵管が癒着することで卵管の働きが悪くなること、腹腔内に炎症が起こることが、妊娠しづらい要因ではないかと考えられています。
子宮内膜症を発症すると妊娠しにくくなりますが、絶対に妊娠できないわけではありません。また、ホルモン療法や手術、あるいは体外受精などで妊娠することも可能です。パートナーや主治医と相談しながら治療を進めていきましょう。