記事監修医師
前田 裕斗 先生
2026/6/10
記事監修医師
前田 裕斗 先生
妊娠中でも運動をしたことがいいと聞いたことがあると思いますが、お腹の赤ちゃんのことを考えると少し不安もあると思います。妊娠初期は不安定な時期なので、特に気になるのではないでしょうか。この記事では、妊娠中の運動量と運動時の注意点について解説していきます。
「妊娠初期の15週目までは流産をしやすい」という声もありますが、妊娠初期に起こる流産の原因は赤ちゃんの染色体異常が大半とされていて、普段通りの仕事や軽い運動程度の影響で流産する可能性はかなり低いといわれています。むしろ、適度に運動することは出産に向けての体力づくりや気分転換に役立ち、流産の予防やお腹の赤ちゃんの成長にも良い影響があると考えられています。
ただし、高い負荷で筋トレをしたり、マラソンや短距離走などの激しい運動をしたりすることにはリスクがあるといわれています。妊娠初期は、あくまで軽い運動にとどめておきましょう。また、サイクリング・サッカー・バスケットボール・縄跳びなど、転んだり、ぶつかったりするリスクがある運動やジャンプをする運動は避けた方がいいでしょう。つわりなどで悩んでいる人もいると思いますので、自身の体調や医師との相談のうえ、無理がかからない程度の運動をすることをおすすめします。
なお、妊娠15週目以降は妊娠中期といい、安定期ともいいます。安定期になると流産の可能性がぐっと下がり、つわりが治まる人も多くなります。妊娠初期よりも出産に向けての体力づくりや体重管理に力を入れやすいです。よく耳にするマタニティヨガやマタニティスイミングなどの「妊婦さん向けに考えられた運動」は、安定期に入ってからにしましょう。
妊娠週数が進むにつれ、体重も増加していきます。適度な運動を行うことは、妊娠中の体重管理にも役立ちます。妊娠初期の運動としては、軽いウォーキングなど、ゆったりとした心拍数を維持できる有酸素運動を30分ほどすることをおすすめします。ランニングマシーンを使って屋内でウォーキングしてもかまいませんが、屋外のウォーキングは気分転換やストレス緩和にも役立ちます。なお、屋外でウォーキングするときは、交通量の多い道や狭い道を避け、こまめな水分補給をできるようにしましょう。
また、お腹に負担をかけない程度の軽いストレッチも、妊娠中の便秘やむくみの解消に役立ちます。ただし、息が止まるほどきついストレッチをしてはいけません。「イタ気持ちいい」と感じるくらいを目安に、ゆっくり伸ばすようにしましょう。
水中ウォーキングは、膝関節などの負担を抑えながら適度な運動量を得られる、妊娠中にもおすすめできる運動です。安定期に入っていて妊娠経過に異常がないようであれば、体の冷えや水分補給不足に注意しながら積極的に取り組んでみましょう。
ただし、プールに長時間入ると、体が冷える可能性があります。冷えはお腹の張りにもつながるので、30分ほどを目安に行い、寒さを感じたときは休憩を入れて体を温めましょう。また、水中は体力を使いやすく水分が失われやすい状態であり、プールでは水分摂取がおろそかになりやすいです。こまめな水分補給を心がけましょう。
施設を選ぶときは、プール熱などの感染症や衝突などを防ぐため、子どもの利用の多いプールをなるべく避け、落ち着いて静かに運動できる施設を選ぶようにしましょう。また、妊娠中は敏感肌になることが多いので、屋内の施設を選んだほうがいいでしょう。
妊娠中に適度な運動をおこなうのは良いことですが、無理をして体に負担をかけてはいけません。とくに、妊娠初期の体調には個人差があり、運動がおすすめできない場合もあります。具合が悪いときは無理せず休み、運動途中で具合が悪くなったときは、すぐに運動を中止しましょう。妊娠中は、できるだけリラックスした気持ちでいられるように、あくまでも軽い運動を張り切り過ぎない程度に続けるようにしてください。また、人によっては運動が体によくない場合もありますので、運動を始める前に医師に確認をとるようにしましょう。