記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
発作がツラい喘息。
なんと、発作で死亡することもあります。
旅行時には吸入器や薬の持参が欠かせません。
移動手段によっては薬を持ち込むときの注意点があったり、旅行先の環境のせいで喘息が悪化してしまったりなど事前に気をつけるべきことがたくさん。
実際、「喘息の人は旅行の4~6週間前から準備が必要」と言う専門家の人もいるくらいです!
今回の記事では喘息患者さんに向けて旅行時の注意点をご紹介していきます。
あなたの準備はバッチリですか?
喘息の人は、旅行時に以下のものを持参するようにしてください。
・普段服用している薬
・自分の症状を記録した書類のコピー
・処方箋(医療扶助が必要となったり、薬を失くしたりしたときのため)
・喘息の行動計画
・旅行保険の書類
喘息の人は、旅行前に下記の準備を整えるようにしてください。
・病院を受診し、喘息の行動計画を見返す
最新のものか確認しましょう。もし行動計画がない場合は、この機会につくりましょう。喘息の症状を緩和し、より良い治療法に変えられるかもしれません。
・旅行先での医療サービスの受け方を調べる
・吸入器を余分に持っていく
失くしたり盗られたりしたときのためです。
・予備の薬も持っていく
「どんなときに発作が出やすいか」を知っておくことで、旅行先での喘息を防ぐことができる場合があります。
たとえば、羽毛枕で喘息が悪化してしまうケースがあります。羽毛ではない枕を持参するか、用意してもらえるよう宿泊先に依頼してみてください。
また、タバコの煙で発作が悪化する人もいます。もし海外旅行の場合は、国によって喫煙ルールが違うので、宿泊先に禁煙ルームが用意できるか尋ねてみてください。
スキューバダイビングも喘息悪化の要因となる場合があるため、注意が必要です。
なお、飛行機や船などの密閉空間でアレルギーやウイルス感染にかかり、症状が悪化する人もいます。自分の体調をしっかり把握し、発作をコントロールできるようにすることが大切です。
飛行機は高度で酸素が減ってしまうため、普段から呼吸が浅い人の場合は、搭乗に注意が必要なケースがあります。
また、荷物が盗難や損傷に遭った場合に備え、喘息薬は手荷物で持っていくことをおすすめします。
ただ、最近の安全規制によると、100ml以上の液体やジェル、クリームなどの入った容器は機内に持ち込むことができまないようです。重要な薬であれば100ml以上でも機内に持ち込むことができますが、それには航空会社からの事前の認証、医師の処方箋や手紙が必要です。また、全ての喘息薬はもともとの容器に入っている必要があり、処方箋ラベルと内容詳細がはっきり見えていなくてはなりません。
旅行先によっては、予防接種や予防措置が必要な場合があります。いずれも詳細は医師に尋ねてください(喘息の治療が抗マラリア薬に影響することはありません)。
なお、接種前に多量の経口ステロイドを使用した場合は医師に伝えてください。
旅行前には旅行保険に加入し、喘息もカバーされているものか確認してください(保険会社の多くは、旅行前に医師からの許可を必要としています)。できれば一番良い条件のものを選んでください。年齢、薬、渡航先によって見積もりはかなり変わります。
荷物の盗難など、旅行では思わぬトラブルに見舞われてしまうことがあります。特に喘息の人は、そういった不測の事態に備えて余分な薬を用意したり、手荷物で持っていったりなど事前の対策が重要です!
安心で楽しい旅行のためにも、今回の記事を参考に準備を整えてくださいね。