寝たまま座ったままの便秘体操 ― 高齢者や多忙な人にもおすすめ!

2018/5/9 記事改定日: 2018/10/17
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

腹痛やお腹の張りなどの不快症状を引き起こす便秘。今回の記事ではそんな便秘に効く体操のうち、寝たまま行えるもの、椅子に座ったままできるもの、トイレでできるものをご紹介します。

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便秘を解消する体操:①寝たままできる体操

朝は便意の起きやすい時間帯なので、起床時は寝たまま便秘解消体操を行うのもおすすめです。いくつか寝たままできる体操のやり方をご紹介します。

バタ足体操

  • うつ伏せの状態で顔の下に両手を敷き、膝は伸ばしたままでバタ足をする。これを10回程度行う

顔だけ起こす体操

  • 仰向けの状態で頭の後ろで両手を組み、つま先を覗くように顔だけ起こす(上半身を起こさないよう注意)。これを10回程度行う

コの字体操

  • 仰向けの状態で全身の力を抜く
  • 両足と両腕を天井の方向にゆっくり伸ばし、5秒キープする
  • その後息を吐きながら両足と両腕を勢いよく振り下ろすようにして、その反動で起き上がる。これを10回程度行う

便秘を解消する体操:②椅子に座って行う体操

オフィスの隙間時間や体力が落ちた高齢者に、椅子に座りながら行える体操をご紹介します。

  • 背筋を伸ばした状態で椅子に座る
  • 上半身を箱に見立て、平行四辺形をイメージする感じで、斜めに変形させるように腰から上を水平方向にスライドさせる

この体操で骨盤の周辺がほぐれ、腸が刺激されることで排便されやすくなると考えられています。

便秘を解消する体操:③トイレでできる体操

「トイレで力んでもなかなか便が出ない」という経験はありませんか?便座に座りながら行える運動を一つご紹介します。

  • 便座に浅めに腰掛け、足を肩幅に開く
  • 右手で左の足首を触り、左手は上に高く引き上げた状態で10秒ほどキープする
  • 逆の手でも同様に行い、これを左右交互に10セット繰り返す

この動きによって大腸がねじれ、また肛門括約筋が刺激されることで排便されやすくなります。体操ではありませんが、排便時にトイレで体を後ろに反らせたり、前かがみになったりするのもおすすめです。

高齢者が便秘になりやすいのはなぜ?病院へ行った方がいいことはある?

高齢者は全身のいたる部位の筋肉がやせやすいため、腹筋や腸の蠕動運動が低下する傾向にあります。そのため、慢性的な便秘に悩んでいる人が多くいます。

高齢者の便秘の多くは、このような加齢による変化が原因となります。しかし、中には大腸がんや大腸ポリープなど大腸に器質的な病気がある場合や、脳梗塞などによって排便反射が正常に生じないことが原因となることもあります。
特に大腸の器質的な病気がある場合には、治療を行う必要があります。便に血が混じることがある・便が細い・便秘と下痢を繰り返すなどの症状を伴う場合には病院で検査してもらいましょう。

おわりに:起床時や仕事中の隙間時間で便秘体操を。高齢者の人はとくに頑張って!

いかがでしょうか。ご紹介した体操はいずれも手軽に行えるものばかりです。起床時や仕事中の隙間時間などを活用して、ぜひ実践してみてくださいね。こうした体操の積み重ねで、便秘が驚くほどよくなるかもしれません。
若い人だけでじゃなく、高齢者にとっても便秘は深刻な悩みのひとつです。今回紹介したものは簡単な体操なので、ぜひ試してみてください。

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