記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/8 記事改定日: 2019/1/11
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ストレスは胃痛や頭痛などさまざまな症状を引き起こしますが、動悸を引き起こすこともあります。
今回の記事では、ストレスが動悸を引き起こすメカニズムや、ストレス性の動悸への対処法について解説していきます。
動悸の原因としては、不整脈や貧血、甲状腺機能亢進症などさまざまなものがありますが、仕事などのストレスが原因で動悸が起こることもあります。
過剰なストレスを慢性的に受け続けていると、まずストレスホルモン(コルチゾールなど)が増加します。ストレスホルモンは高い負荷の活動に対抗できるよう、血液量と心拍数を増やす作用があるため、血圧が上がりまた心拍数も上がるので動悸が起こるようになります。
また、ストレスによる自律神経の乱れも動悸に関連しています。ストレスが溜まると人間の体は緊張状態に対抗するため、交感神経を活発化させることで血圧と心拍数が上がるようになります。また交感神経が活性化している間は感覚が敏感になるため、より動悸を感じやすくなるのです。
ストレスによる動悸は、根本的な原因であるストレスに対処することが一番の治療になります。もし今の仕事がストレスなのであれば、転職を検討したり、なるべく早く帰宅できるような方法を考えたりしましょう。それが難しければ、ストレスを発散する趣味や時間を見つけることが大切です。リラックスできる状態になることで、副交感神経が活性化し、動悸が起こりにくくなります。
また、補助的に抗不安薬を処方することで動悸を抑える方法もあります。抗不安薬は不安を和らげ緊張を緩和する作用があるため、副交感神経が活性化することで動悸の改善が期待されます。しかし、抗不安薬の処方は動悸によって日常生活に支障が出ている患者に限ります。抗不安薬の服用はあくまで対症療法であって、根本的な解決にはならないからです。
ストレスが原因の動悸は薬を服用して症状の改善を図ることもできますが、動悸の原因を根本から改善するためになるべくストレスの少ない生活を心がけることが大切です。
社会生活を送るうえでストレスを完全に避けることはできませんが、適度なストレス解消方法を身に付けて、ストレスを溜めないようにしましょう。また、十分な休養や睡眠時間を確保するようにしてください。
ストレスが原因と考えられる動悸が生じた場合は、落ち着いて横になったり座ったりして呼吸を整え、ゆっくり休むようにすると症状が早く改善することがあります。
改善方法は人によって異なりますので、自分に合った改善方法を探してみましょう。
慢性的なストレスがあると、ストレスホルモンの増加や自律神経の乱れによって、動悸が引き起こされることがあります。ストレス性の動悸は抗不安薬の服用によって一時的には改善するものの、根本的に治療するには、そもそもの原因であるストレスに対処することが欠かせません。
ストレス発散の方法を見つけ、動悸が起こらないような環境づくりに努めていきましょう。
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