記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
2018/5/11 記事改定日: 2019/11/15
記事改定回数:1回
痛風の発作は夜中から朝方にかけて起こることが多く、激しい痛みに飛び起きることもあるそうです。
今回の記事では、痛風の腫れや痛みの期間や対処について解説していきます。
痛風による発作でできた腫れは、痛みが治まっても、すぐにはなくなりません。
初期であれば10日~2週間ほどで腫れが治まることもありますが、症状がひどい場合には1ヶ月以上も腫れが継続することもあります。
また、長い場合には3ヶ月以上経過するケースもあります。
痛風で腫れるのは皮膚の下で炎症が発生しているためで、この炎症は白血球が尿酸結晶を攻撃することにより生じています。
そのため、まだ尿酸結晶が多い状態だと白血球が攻撃を続けるため、炎症がなかなか治らないのです。
しかしその状態も、通常は数ヶ月後には治まります。
痛風発作の痛みを和らげるためには、以下の対処がおすすめです。
ただし、基本的にはなるべく早く病院を受診し、医師の指示のもと適切な治療を受けることが第一です。
痛風発作による痛みは、ロキソニン®やイブA®などのような解熱鎮痛薬である程度は和らげることができます。痛風発作は再発を繰り返しやすいため、発症したことがある人はこれらの鎮痛薬を常備しておくとよいでしょう。
ただし、市販の鎮痛薬はあくまでも一時的に症状を抑えることしかできません。痛風発作の根本的な原因である高尿酸血症を改善することはできませんので、痛風発作を発症したことがある人は定期的な検査を受け、必要があれば適切な治療を受けるようにしましょう。
痛風による発作は、体内に溜まった尿酸結晶を白血球が攻撃することで発生します。攻撃している間は激しい炎症反応が続くため、患部が腫れたり、熱を帯びたりします。
血行が促進するほど炎症反応が強まるため、以下のような行動は避けてください。
長期間、腫れが続く場合は痛風結節の可能性があります。
関節に沈着している尿酸結晶が増大して、炎症細胞を含むさまざまな細胞が群がり集まった状態になっていることを「痛風結節」と呼びます。
結節ができはじめの頃は、ただ腫れているだけのように感じますが、触ると皮膚の下に硬い感触があります。患部に硬い感触がある場合は、痛風結節の可能性があり、そのまま放置しておくて腫れが続きます。
症状が進行すると、コブが徐々に関節や骨を圧迫していき、最悪の場合には関節の変形により曲げられなくなることもあり、とても危険です。
このように、痛風の病気が進行して尿酸結晶が結節化する病状を「慢性痛風期」といいます。
患部に触ってもコブのような硬い感触がない場合は、白血球による尿酸結晶への攻撃が継続している状態ではありますが、痛風結節までには至っていないと考えられます。炎症を抑えるために、冷やしたタオルなどで患部を冷やしましょう。
ただし、見た目だけで判断できるものではありませんので、早めに医師に診てもらうようにしてください。
痛風発作は間違った対処をすると悪化してしまいます。病院に行く前の一時的な対処としては、まず患部を冷やして安静にすることが大切です。マッサージなどは痛みがひどくなるおそれがあるので絶対にしないように気をつけましょう。
基本的には、早く病院で診てもらい医師の指示を仰ぐようにしてください。