記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/16
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
頭痛は一般的な症状ですが、同時に鼻血が出た場合はびっくりされる方も少なくありません。では、頭痛と鼻血が同時に起こった場合、原因としては何が考えられるでしょうか。重篤な病気の可能性もあるのでしょうか。
頭痛と鼻血の主な原因としては、以下が挙げられます。
高血圧(最高血圧140mmHg以上あるいは最低血圧90mmHg以上が続いている状態)の人は、血圧の上昇によって脳内の血管が拡張し、脳神経が刺激されるために頭痛が起こりやすいといわれています。
また、高血圧は血管への圧力が高い状態を意味するため、その分血管がもろくなります。このため、鼻の毛細血管に圧力がかかった場合は、血管が切れて鼻血が出るようになるのです。
副鼻腔炎の場合、鼻の粘膜が弱って鼻血が出やすくなることがあります。また、副鼻腔に膿が溜まることで頭痛が引き起こされるケースも少なくありません。
頭痛薬などでよく用いられるアスピリンや抗凝固剤などは、血液を固まりにくくする作用があるため、服薬中に鼻を強くかんだりすると鼻血が出ることがあります。
頭痛と鼻血が、重大な病気のサインの場合もあります。
例えば上顎がんでは、がんが増大して上顎洞の骨壁を破壊し、周辺の組織を圧迫し始めたときに頭痛や鼻血が出ることがあります。
また、「髄液漏」も注意すべき原因の一つです。髄液漏とは脳の脊髄液が体外へ漏れ出してしまう重篤な状態で、薄い血が混ざったような鼻水が垂れてくるという特徴があります。交通事故などで頭部を打撲し、頭蓋底が骨折したときに起こるものなので、頭を打った後に頭痛や鼻血が見られた場合にはすぐに病院を受診してください。
頭痛と鼻血が同時に起こってもそこまで心配ないケースが多いですが、まれに上顎がんや髄液漏のサインのケースもあるので、一度頭痛外来や脳神経外科などを受診することをおすすめします。ただし、激しい頭痛や吐き気などいつもと違う異変が現れた場合は、すぐに救急外来を受診してください。
あまり知られていませんが、高血圧や薬の影響など、思わぬ原因で頭痛と鼻血が起こることがあります。ただ、中には脳腫瘍の影響で頭痛と鼻血が起こるケースもあるので、念のため専門外来で異常がないか検査を受けておくことが大切です。