ノロウイルス消毒ってどうやるの?消毒液の作り方は?

2018/5/16

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

ノロウイルスの予防には、消毒が大切だということは知っているけど、どんな消毒液を使えばいいのかわからないという方もいるのはないでしょうか。また、実際にどこを消毒すればいいのでしょうか。
ここでは、ノロウイルスの消毒方法や消毒液について解説していきます。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

ノロウイルス消毒液の作り方は?

ノロウイルスの消毒には、次亜塩素酸ナトリウムが有効とされており、市販の家庭用塩素系漂白剤にも約5%濃度で次亜塩素酸ナトリウムが含まれています。
消毒液は、家庭用塩素系漂白剤とペットボトルだけで簡単に作ることが出来ます。
※ペットボトルのキャップ1杯=約5ml

「ドアノブ・手すり/感染者が直接触れた場所・物」に使用する消毒液

消毒液の濃度:200ppm(0.02%)

家庭用塩素系漂白剤10ml(ペットボトルのキャップ2杯分)を水2.5L(500mlのペットボトル5本分)で薄める。

「嘔吐物、便などが付着した場所・物」に使用する消毒液

消毒液の濃度:1000pm(0.1%)

家庭用塩素系漂白剤10ml(ペットボトルのキャップ2杯分)を水0.5L(500mlのペットボトル1本分)で薄める。

消毒液を取り扱う際の注意点

消毒液を扱うときは、以下のことに注意しましょう。

  • 消毒液を作る時には、ビニール手袋などを使用し、直接手指や皮膚などに触れないようにする。
  • 漂白作用があるため、色落ちが気になる衣類への使用は避ける。その場合は、85℃以上の熱湯で熱水消毒を行いましょう。
  • 金属の腐敗作用があるため、金属に使用した際はしっかりと水拭きをしましょう。
  • 嘔吐物や便などは先に処理してから、消毒を行うようにしましょう。
  • 時間の経過とともに効果が減少するので、なるべく1日1回新しい消毒液を作るようにしましょう。

ノロウイルス消毒、衣類はどうやって洗濯するの?

まず、塩素系漂白剤を水で0.02%に薄めた、塩素系漂白剤調製液を用意し、下記の流れで洗濯していきましょう。
※漂白作用があるため、色落ちが気になる衣服の洗濯はしないようにしましょう。

  1. 他の衣類と区別
    衣類をビニール袋などに入れて、他の衣類と区別できるようにしておきます。
  2. 下洗いをする
    付着している汚物に含まれているウイルスを処理した後、洗剤を入れた水の中で丁寧にもみ洗いしてください。水が飛んだ際には吸い込まないように注意しましょう。
  3. リネン類の消毒
    0.02%塩素系漂白剤調整液で消毒をした後、よくすすぎ、高温乾燥機などを使用すると殺菌効果が高まります。また、85℃で1分間以上の熱水洗濯をするのもおすすめです。
    ※布団やソファなど大きいものの場合は、汚物の付着した部分を乾燥させ、スチームアイロンや布団乾燥機で乾かすといいでしょう。
  4. 洗濯した場所の清浄化
    下洗いをした後、0.02%塩素系漂白剤調製液で消毒し、もう一度洗剤で洗浄しましょう。

衣類の消毒はいつまですればいい?

症状が治まってから1週間後程度までは、便の付着した衣類は、洗濯前に消毒をしておきましょう。

手指についたノロウイルスの消毒方法は?

しっかりと手洗いをすると、100万個ほど付着していたウイルスが、数個ほどまで減少するとされています。そのため、ノロウイルスの感染を防ぐ・二次感染を予防するためには、手洗いと消毒がとても大切になります。帰宅時や調理前、食事前、トイレの後などは、石鹸を使いしっかりと手洗いを行いましょう。また、手洗い場や水道がない場合のために、アルコール手指消毒剤を持っておくと便利です。

正しい手洗い方法

  1. 15秒ほど流水で洗う。
  2. ハンドソープ・石鹸を使って30秒以上もみ洗いをして、指先、爪の間、手の甲、手首までをしっかりと洗浄します。
  3. 15秒ほど流水ですすぎます。
  4. 以上の手順を2回繰り返す。
  5. 清潔なタオルで拭く。

手洗いが終わった後さらに、アルコール手指消毒を2~3回行うことで、さらなる消毒効果が得られるとされています。

トイレのノロウイルス消毒も忘れずに!

消毒する際に身に着けるもの

マスク、手袋、使い捨てエプロンなどを装着し、換気を良くした状態で消毒を行いましょう。

消毒箇所

  • トイレ
    一番汚れが酷いとされている便座や蓋は、1000ppm消毒液を使用して消毒していきます。トイレの床や洗浄レバー、ドアノブ、ペーパーホルダーなどは200ppm消毒液を使用し、その後水拭きをしてください。
  • 洗濯場、手洗い場
    汚物が付着した衣類を水洗いした場所や、嘔吐した感染者が口をすすいだ手洗い場なども、消毒しましょう。
  • 食器
    感染者が使用した食器は、使用後すぐに、200ppm消毒液に5~10分程度浸した後しっかりとすすぎましょう。

おわりに:消毒液を使用する際は注意点を守ろう

ノロウイルス予防の消毒液は、次亜塩素酸ナトリウムと水があれば作れますし、家庭用塩素系漂白剤を使用することもできます。作る際には手袋をはめて液が手に付かないように気をつけましょう。また、使用する場所によって濃度を変えたり、使用した後の手洗い・消毒もしっかり行うようにしましょう。

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